「海のはじまり(第6話)」水季が海を産もうとしたきっかけに弥生が背中を押していた奇跡
ラスト、水季が海を産む気になった理由がわかる。弥生が子供を堕した後で、水季が同じことをしようとしたのは同じ病院で、そこに弥生のメモが残されていた。幸せについて考えた水季は海を産むことにする。なんといい話ではないかとは思うが、人間の縁というものはそのくらい狭い空間の中にあることは確かである。しかし、この流れを視聴者で考えた人はほぼいないだろうな、すごいな・・。
話は、夏が水季の実家で過ごす日々がゆったりと流れるところから。朝起きると、隣には海が寝ている。この子供の自由さに慣れるのが大変というか、それが子育てなのだ。そして、弥生に習ってきた三つ編みを海にやってあげようとすると、海は「今日は編み込み」という。結局はおばあちゃんの力を借りてしまうわけだが、こういうシーンは男には書けないですよね。そして、すごく新鮮だった。
そして、この日は、水季と海が暮らした、部屋、学校、図書館を巡る旅。夏が知らない二人の生活を覗くような旅。でも、それで何かが見えてくればいいのか?元住んでいたアパートの大家さんは岩松了。最近は、いい人もよく演じている。二人を優しく見守っていた感じがよく出ていた。こういうちょっとした会話の描き方もいちいち濃厚なのですよね。だから、こんな端役でも岩松さん受けたのかもしれない。
そして、学校。先週は転校問題が出ていたが、担任の山谷花純は、母親の水季から色々聞かされていたよう。それほど強く寄り添ってはいないが、それなりに心配してくれてる距離感みたいなものがうまく出せている。そう、出ている演者、全てに存在感があるのが生方脚本の凄みだ。そう考えると、近い将来、彼女に朝ドラ描いて欲しいと思うのは私だけではないだろう。
最後は図書館。休館日だったが、津野君が開けてくれる。水季と海のためなら行政も文句を言わないって、なかなか良いですよね。実際は難しい気がしますが・・。ここで、夏は水季と海がどんな素敵な人たちに囲まれて生きていたかを知った訳で、そして、海がこんなに素敵な女の子に育っている意味も見えてくる。徐々に、水季と海に夏が近づいてく感じがすごく良い。
夏の家族もそうだが、徐々に海を巡って近づき、そして優しい気持ちになり、そしてその倍くらいの不安もあったりする。そんな中で、最後に海を産ませたきっかけを弥生が作っていたという種明かしは、もう、このまま悪いことは起こらない感じのする話だと思った。
とはいえ、なかなか夏はパパ宣言はできないのだ。ドラマの半分から後はパパ奮闘記になるのかと思ったが、そうではなさそうですよね。多分、パパ宣言するのは、最後の最後かな?しかし、毎回、海ちゃんに成長させられてる夏の姿を男たちはどう見ているのだろうか?その辺りは気になるかな・・。