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「ネメシス(第2話)」物語の全体を作ろうとするあまり、個々の事件解決が甘い感じがするのが難点。

第2話は振り込め詐欺の話である。そして、新しいキャラクターとして、上田竜也扮する、駅弁好きの道具屋が出てくる。毎回、櫻井と広瀬の周辺に仲間が増えていく感じは面白い設定。前回のスピード狂の大島優子も出てきたが、やらせる芝居が同じなのは、少しネリが足りない感じ。

そう、ドラマ全体に言って、「もう少し考えたら?」という部分を多々感じる。いわゆる探偵ものにしては、1話1話の事件に対する捜査のコクがないのだ。全ての結果は、広瀬がインドで会得したであろう、透視的な技によるものであり、ドラマ上で捜査が繰り広げられるものではないからだろう。ある意味、この辺りは、脚本は割り切っている感じがいただけない。

多分、このドラマ、広瀬すずの父親である、仲村トオルの事件を追うために江口洋介が動いているわけで、他の事件がそこの導線として働くという設定なのだろう。そういう意味で、ラストに向けての伏線を毎回忍ばせていくという感じ。その部分と、毎回の事件解決のバランスが今ひとつ甘いのだ。

総監督、入江悠は、やはり映画監督だということもあるのかもしれない。この脚本の作り方は映画の感覚で書かれているようなものなのかもしれない。ただ、2時間くらいの映画と、まとめると10時間弱になるようなテレビシリーズとは根本的に思想を変えておかないと、視聴者を最後まで連れていけない。その辺の不安を強く感じた2回目だった。

2回目にしてヒップホップという、「SRサイタマノラッパー」を作った入江監督の得意分野を使ってしまったのも少し気になる。監督がこのドラマに対してどのくらいのネタを仕込んでいるのか?という点で、得意技は、ラストの方に持っていく方がいいのではないか?と思うからである。結果的には、2話が終わっても、勢いがいまいちな感じがするのである。

多分、この回では上田竜也の道具屋というのは、印象的であり、事件解決にも繋がっているのは面白かったが、広瀬のトンボの真似をみて笑うとかよく理解できないし、キャラの出し方が弱い。彼の仕事場が、横浜のジャック&ベティの地下にあるというのは面白かったが、これってジャック&ベティはスポンサーとしてお金を出しているのだろうか?ここまで映画館が名前も出してドラマに使われることは少ないですものね。

そして、事件解決時に、広瀬すずのアクションが締める。彼女はインドでカラリパヤットという武術を習っていたという設定らしいが、この辺りも出てくるのが唐突な感じである。

あと、勝地涼と中村蒼の刑事コンビの出し方も学芸会みたいで、もう少しなんとかならないのか?

このドラマ、日曜日の真夜中前という時間に放送しているわけで、もう少し、週初めに向けて爽快なドラマを見たい時間だったりする。それを考えても、もう少しスピード感を持ったものにして欲しいというのが個人的感想。広瀬すずが出ているので観ている感じになってきましたね。

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