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「コタツがない家(第6話)」お父さんがいなくなって、お母さんが訪ねてきて、お父さんが捨てられた話

前回、格好よくハーレーに乗って鬼怒川に旅立った小林薫は、今回の最後で東京のカプセルホテルに居住している。現代のホームドラマは年寄りの扱いに容赦ない。というか、カプセルホテルも高齢者の客が多かったりするのだろうか?日本は大丈夫か?っていうドラマでもあるのですよね、これ。

今回の本題は、小林薫が逃げていったことで、その元連れ合いの高橋恵子がフューチャーされる。古い炊飯器で作るケチャップご飯。なんか、すごい昭和感がある料理ですな。それをデビューから半世紀経つ高橋が演じるのが感慨深い。若い人は分かってないだろうが、松坂慶子も高橋と同時期の女優さんなのですよね。大映倒産期の最後の映画女優と言える人なわけだが、お二人ともまだまだお若いこと。高橋、ここではおばあちゃん役ではありますが、50年前にはこんなおばあちゃんいませんでしたよね・・。

そして、そのキャリアもあって、高橋がセリフを喋るだけでドラマが濃厚になる感じはさすがと思ったりしました。その高橋と言い合いをする小池栄子も主役として見事なウケ。このドラマ、意外に役者たちのノリがいいですよね。舞台はほとんど家の中なのに。

そう、吉岡も外に出れば、公園でのラジコンを禁止されるし、確かに外では住みにくい世の中であったりもするわけで、そういう風景もなかなかさらりとわかりやすく挿入されていて、秀逸な脚本ではあると思います。

そして、今回の男の主役は息子の作間龍斗が、吉岡の弟(豊本明長)の和菓子店で働くという話。弟は父からの和菓子屋を継いだわけだが、結婚もしていないので後継者がいないということで、作間に電話をしたということ。作間も嫌いではないらしく、確かに今までのドラマの中では一番真摯に生きてる感じがした。そんな中で、高橋が和菓子は嫌いだし、そんな話には大反対。小林がいなくなっても色々と揉める家族である。

そんな作間の彼女である平澤宏々路は作間に気がないのかと思ったが、彼が作った和菓子を最初に買いたいとやってくる。若い恋路を甘く描く感じは、これが吉岡や小林みたいになっちゃうんだよ!という意味の脚本なのだろう。

あと、小池の会社のホラン千秋と河野真也をくっつけようとするも、中川大輔がホランの元に帰ってきて、どうなっていくのでしょうか?

ドラマは後半戦に入っていき、吉岡は漫画を描く気もないし、小林は家に戻れない境遇。現代の男たちの多難さはなかなか上手く描けていると思うが、これ、どういう着地点になるのでしょう。この男たちが格好よく最終回を迎えることは絶対になとは思うが・・・。

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