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「コタツがない家(第7話)」父帰る。息子の進路ぐらぐら。夫は仕事辞めるという今時の家族

前回、カプセルホテルで優雅?に過ごしていた小林薫は今回の初めで車の中にいる。家族に強制送還されたようだ。そして、口を聞かずに友人のクマさんに通訳してもらっている、不自然な車内。昔の父親なら、喚き散らして自分の意見を主張してなんとかその場を収めただろうが、ここでの小林は「私が悪うございました」とみんなにことのほかアピールを始める。これが、今のホームドラマでの父親の位置なのだろうか?まあ、脚本家は男なわけで、ある意味自虐的な表現なのかもしれない。こういうのを女性の脚本家が平気で描くようになったなら、もはや男の地位は元に戻すところにないということなのかもしれないが、そんな未来も近いと思われる今日この頃。

そして、小林はまたもや同居するわけだが、主人?の吉岡や息子にもすごく丁寧な態度。ある意味気持ち悪いのだが、そのサービスを満更でもない感じで受ける吉岡秀隆は、ここでは本当にクズである。この吉岡を主役に据えて、新しい「男はつらいよ」を作って欲しい気はする。金子茂樹なら書ける!!

そんなクズの吉岡がホラン千秋の恋人の中川大輔に「結婚とは何か」を語るシーンがあるが、クズが喋ることにはそれなりの蘊蓄があるわけで面白い。そう、ここが寅さんと同じなのだ。もう、このダメ男という図式はこれからの吉岡の演技のライフワークになるかもしれない。もう、「Dr.コトー」とか演じなくていいですw。とことん、令和の渥美清を目指しましょう!

で、息子の作間龍斗は、和菓子屋になるのかと思ったら、そこに尋ねてきたスカウトに「アイドルにならないか」と言われる。このシーンが、スカウトが出てきただけで、その内容が後で作間の口から語られるのは勿体無い気がした。スカウトにそれを言われて顔つきが変わる作間が見たかった。そして、そんな心ぐらぐらな作間が、いつも一緒にいる平澤宏々路に「好きだ」と告白する。こういう告白に同意する平澤は未来の小池栄子になるのだろう。でも、それで同じことを繰り返すようなら、それはそれで幸せな家族なのだ。そう、このドラマはこのグラグラ感が現代の幸せなのだよと言っているような気もしてきた私である・・。

男たちが今ひとつ落ち着き場所を見つけるのに忙しい中で、吉岡はただ一つの帰る場所であるはずの漫画家を辞めると言い出す。その後にどうするかは全くのノープラン。そう、肩書きがなくなる夫は必要ないわけで、なんとかそれを止めようとする小池栄子。しかし、この家族たち、自由である。毎日生きるために一生懸命な人々には、この一家が天国にも見えるのが素晴らしい。

このドラマ、後2回か3回で終わりだろうが、ラストにどんな幸せな家族の姿を見せていただけるのか楽しみである。

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