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「逃亡医F」もう一つ、サスペンス風味が足りない日テレドラマ

成田凌主演の天才外科医の逃亡ドラマ。コミック原作なのはわかっているが、ドラマにしたときに、なんかコミックを読んでるふうになってしまうのが、日テレドラマの拙いところの気がする。多分、カット割や、間合い、音楽の入れ方などが、TBSやフジに比べてどんくさいのだ。だから、こういうサスペンス風の話はとても残念になってしまう気がする。そして、その予感は当たった。昔の映画会社がそれぞれの色を持っていたように、今のテレビ局のドラマも、各局の色がある。まあ、予算の使い方、演出の考え方など、いろんなものが相乗効果で出てくるのだろうが、日本テレビのドラマの色に関しては未だ馴染めない私だったりする。

成田凌の芝居はそれなりにちゃんとしているが、まず発端の逃亡に至る部分がスピード感がない。恋人の自殺だけを強調しているので、なんか、必死に逃げている感が出てこない。というか、初回でもう少しスピード感がないと視聴者を次に持っていけないですよね。

手術の場面は、南沙織を聴きながらというのは、「孤高のメス」の都はるみの話のパクリだろうか?まあいいが、天才外科医をもう少し格好良く捉えて欲しい気もした。それを成田自身が説明してしまっているのも解せない。そして、患者で手を切って再縫合してもらう森七菜は、久しぶりにみるが、この成田に寄り添う役はどうなのか?彼女ではちょっと柔らかすぎる感じがする。

それに対して、松岡昌宏の演技がはっきり言ってウザい感じ。頭を全く使っていないこういう力任せの演技は最近のドラマでは必要なくなった気がするのだが、見ていて辛い。逃亡者を追う役というのは重要なわけで、その一人が彼だというのは、見続けられるかどうか不安になる。

そして、事件の裏に大きな金の動きもある様だが、成田を気にする企業の安田顕の衣装を見るに、まあ、コミックのそのままなのかな?と思ったりする。こういうのも、ちょっと苦手である。

ということで、見るところは、成田凌の芝居だけというところか?しかし、手術のところの音楽がアイドルポップであることもあるが、全般的に音楽の使い方もうまくない気がする。そして、脚本の紡ぎ方も散漫さを感じる。来週は雪の中でロケしている様だが、そういう部分を生かし切れるかどうかは大切なところである。

あと、全体の映像のトーンが何もいじっていないフラットな感じなのも良くないのだろう。いろんな面でもう少し臨場感が欲しい。成田凌を格好良く見せて、彼の追う、彼女の死の真相が、視聴者に迫ってくるものでないといけないと思うのだが、まずは初回はちょっと軽い日テレテイストで終わってしまった。とりあえず、次を見るとは思うが…。

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