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「俺の家の話(第四話)」逃げるのも才能、残るのも才能。人生はその二択?

最後の父と息子の共演の舞は、平岩紙でなくても、涙が出てくるような舞に見えた。今回は、親子という概念と、生まれた場所は変えられないが、生きる場所は変えられるみたいなものを考えさせられる、地味だがいい回だった。

まず、流れとしてはある程度、西田が治ってきて、戸田と西田の夫婦模様も、もはや芝居だと戸田の口からバラされる。そして、プロレスのアルバイトなどの嘘は嘘のままにドラマは進み出す。だが、その嘘がバレるときにドラマが生まれるという流れの作り方は宮藤脚本のうまさでもある。

江口のりこの息子が池袋西口公園で踊っている。「池袋ウエストゲートパーーク」が放送された時とはかなり姿が変わった場所に、長瀬が帰ってくるのはなかなか趣があった。ちゃんと、脚本もそれをわかって書いているしね。そして、その、息子が最後に、ダンスで優勝する顛末は良い

その親父のラッパーのラーメン屋、秋山竜次が、「ラーメン好きなの?」という長瀬の質問に「ラーメン好きだったら、ラーメン好きの気持ちしかわからないよね」というのは、結構深いものがある。ある程度、好きなものを追い詰めていくと、他のものが見えなくなっていくということは、どの分野でもある話だ。そう、この混沌とした内容のドラマがちゃんとまとまっているのは、宮藤官九郎がドラマ作りだけが好きなわけではないからだろう。まあ、このへんは脚本家の自分への言い訳か?

そして、世阿弥マシーンは、リングに鐘を持ち込んでの奮闘!リングにこんな鐘を持ち込んだら、凶器にしかならない気もするが、そういうシーンはなかったね。そして、今回は長州力が出てこなかった!!寂しい!

そして、道の途中で、倒れた戸田と車椅子が動かなくなった西田をみて、世阿弥マシーンが助ける場面は、なかなかいいシーンだった。つい、「親父」と読んでしまう長瀬の思いはわかる。そして、その後、戸田が世阿弥マシーンの正体を知ってしまう流れに。しかし、プロレスラーって、衣装をこんな箪笥に畳んで入れておくものか?少し無理がある気もするが…。

今日のメインイベントは、桐谷健太と長瀬智也が腹違いの兄弟だとわかる話。桐谷の母親が美保純である。美保さんは、いまだに結構いい役もらえますよね。大したもの。それはそうと、兄弟それぞれが「わーっ!」となることで、事の重大さを表す方法は、今の視聴者にはぴったりな手法かもね?どちらにしても、この事で、遺産話も混沌としてきているし、どうなるのでしょうかね?話の1/3以上過ぎたところで、どう転じていくか楽しみである。

今日の回で印象に残ったセリフ「逃げるのも才能」という言葉。私的には「努力するのも才能」という言葉がいつも胸にあるのだが、この「逃げるのも才能」というのもまた真である。人生の岐路で逃げ遅れて、結局不幸のままに終わっていく人も多い気がしますものね。

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