見出し画像

「シガテラ(第11話)」主人公自身がシガテラということなのですかね・・。

いじめていた奴が、いじめられた奴を責めて、「全部お前のせいだ」という。青春の時期、歯車が狂ってしまった時に自分のせいにする奴はまずいない。そして、歯車を狂わされたと思った男が、可愛い女を連れてヘラヘラしてたら、そりゃ、そう言いたくなるのもわかる。そんなことを言われて、前に丈太郎にも同じように責められたのを思い出す。「自分がいると周囲の人が不幸になる」そう考えて死んでしまう人もいたりする。

全て思い込みだというか、他人に責められて鵜呑みにしてしまうため、そのネガティブから抜け出せなくなる。いじめにあったトラウマはほぼ似たようなものだ。だから、いじめが増えると世の中はどんどんネガティブになっていくのである。なかなか哲学的なドラマだ。

ということで、今回は関水渚の話はほぼなし。彼女が主役だから、出演させないといけないだろうと、貯水池に落としてスマホが壊れ、電話が通じない話を放り込む。無理くりに彼女の話と、この青春いじめ日記の話を結びつけているわけだが、まあ、主人公の醍醐虎汰朗のダメ男青春記としては、なんとか繋がっていると言ったところ。脚本家は苦労してるよね。

で、今回は、先週の拳銃探しから。貯水池だと言ったが、なんか浅い池。貯水池って言ったら、普通、潜らないと探せないだろう。まあ、そんなことはどうでもよくて、醍醐がこの現場に付き合わされていくのが描きたいわけだよね。確かに、こういうふうに付き合う奴がいるから、いじめる奴は余計に迷惑だと思うところはわからないでもない。だが、いじめる側からすると一人の生贄がいないと、自分の自己承認ができないわけですよね。

そして、やくざが敵だと思って逃げてたら、追いかけてきたのは皆仲間で、内乱の中で親分殺しを引き受けたのが長谷川だったということ。長谷川自体がそんな組織のことなど知らずに、金目当てで殺しを引き受け、拳銃を失くすという失態をしたわけだ。それを失態とは思わない長谷川。ということで、最後は、彼は、醍醐に逆ギレする。確かにこういう男はいる。そして、ただただ面倒臭い。

青春期は、まだ世の中のどこかに正義があると考えるから、つけあがる奴はどんどんつけあがるし、虐げられる奴はどんどん虐げられる。そして、それが人生勉強になると言ってたのは、半世紀前の話。今は、そのまま人生終わりにしてしまう人も多いわけで、人間自体が自浄作用もなければ、成長もない感じになってきている。まあ、大人も、マスクしろと言えば、みんなマスクするし、ワクチン打てと言えば、みんなワクチン打ってしまうわけで、大人も洗脳されやすい今、若者など尚更だ。そして、ここではそれはないが、ネットで責められれば、もはや自分が悪だと思ってしまうだろう。

そんな中で、関水渚みたいなサセコは毒である。もはや、彼女の子宮だけが正義みたいになってしまいますものね。まあ、このドラマ、すごいエロドラマになってくのかと思ったら、結構考えさせられる重いテーマに入り込んで行っている。さあ、着地点はどこにいくやら・・。

昔のロマンポルノなら、二人に思いっきりSEXしてるところでフェイドアウトみたいな終わり方になりそうではありますが、・・。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?