「ドクターホワイト」浜辺美波の無垢な演技に、色々考えさせられるドラマ？

樹林伸原作の小説のドラマ化。医療ドラマではあるが、それ以上に人間の荒れた心に対する警鐘みたいなものを描きたいようにも思える。私的には、浜辺美波主演ということで見ないわけはないのだが、岡崎紗絵と一緒に住んでいるという設定もまた良しということで、実に色々癒しになるドラマだったりする。

話は、柄本佑が拾ったといえる浜辺美波が記憶喪失らしいのだが、医療に対する知識だけは豊富で、その人に近づくだけでその人の病名を当てるという、ヒーラーのような女性で、彼の身元を追うとともに、医療現場に彼女が入ることで様々な問題が起きるという話。

そんな中で、医者たちのキャストが、石坂浩二、小手伸也、片桐仁、高橋努、瀧本美織ともう一つ信頼できそうには見えない面々。どちらかといえば、ファンタジー寄りの医療ドラマなのだろう。とはいえ、柄本佑がいることでドラマ全体の雰囲気は悪くない。

ある意味、様々な記憶のない浜辺の役は少女のような役なので、今の彼女でしかできない役であるのだろう。昨今は少し背伸びしたような役もこなしていた中で、こういう役を演じ切るのも彼女のキャリアとしては良いのかもしれない。ただ、無垢なイメージの少女の中には、どこか狡猾な感じも見え、なかなか、その心根が読めない感じが面白かった。

それに対し、柄本の妹役の岡崎は、病気を持ちながらも、天真爛漫という感じ。岡崎もまた、こういう明るい雰囲気の役でイメージを変えていくのも良いかと思う。金髪がなかなかお似合いだが、この役のこの髪の毛の色に意味があるのか？

先にも書いたように、病院の現場の風景にはあまり重きを置いていないようなので、医療ドラマ的な手術現場などはあまり出て来ないのだろう。それよりも、浜辺美波演じる「雪村白夜」というヒロインをどうミステリアスに描くかということだと思う。初回のクレープやコーヒー、お汁粉などへの対応の仕方は面白かったが、記憶喪失になっても、こういう味覚的なものはあまり失われないと思うのだが、どうなのだろう？

私的にはこの白夜というヒロインが、ブラックジャックの知識を持ったピノコみたいに感じられた。まあ、どじを踏むようなキャラには描かれていないが、そういう個性的な面をどう出していくかも大事なところであろう。

しかし、月９から繋げてドラマ連チャンのこの枠。どうなのでしょうかね？昔はこういう番組の組み方あったと思うのですが、今だとちょっと雑にも見えます。まあ、どのように番組を組んだところでテレビ局同士の争いより、対ネットというところなのかもしれませんけどね…。