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「生きるとか死ぬとか父親とか(第12話)」相談ができるということ、相談されるということ

吉田羊と國村隼が父娘を演じるこのシリーズもこれで最後。前2回は娘から見た母の思い出を語った話だったが、最後は現在に戻る。そして、再度、ラジオのスタジオから。そして、プロデューサーから「昼帯」のラジオをやらないか?という誘い。ジェーン・スーさん、そのものの流れをここにおく。

そして、國村隼との買い物デート。いつものように食い違うセリフの面白さはあるが、母親のことではシンクロする。まあ、世の中の父娘としては、このお父さんは幸せな気がする。ある意味、現代をよく現した話であり、このドラマの一個一個のストーリーにうなづいて観ていた人も多いのだろう。一人の女性の人生の吐露は、多くの人間の心の支えになるということなのだろうと思う。ましてや、スーさんのような人は、いそうでいない感じが素敵なところだ。

この誰でも発信して文章が書ける時代に、やはりスーさんの文章は、そういうところを越えて愛される文章だからだ。令和は彼女のような作家がもっと出てくるのだろうなと思ったりする。男でこういう文章を書ける人は少ないですものね。でも、ジェンダーフリーになりつつある中、スーさんの男版的な人も出てくるのも遠くない気がする。そう、みんなで前向きに考えるのが良い時代への流れだ。

「相談する、相談される」 という中には、すごい人間のドラマが詰まっていて、それを形にできる人は、みんなドラマがかけるのかもしれない。

そして、最後にまとめれば、やはりこのドラマの成功はキャスティングにあると思う。吉田羊は年齢を隠しているが、ほぼほぼスーさんと同じ年齢らしいから、それもあって、うまく共感できる演技というとこなのだろう。そして、國村隼のお父さんも、我が道をいくという感じは、お見事。私にとっての國村隼という役者のテイストが変わった気もする。この二人のキャストなくしてこのドラマはあり得なかった。こういう大人の雰囲気のキャスティングのものをもっと作って欲しいですよね、本当に。テレビ東京でしか、こういうのができないという時代が早く終わって欲しい。

また、昔の話での松岡茉優と富田靖子の両名も、見事にこのドラマに溶け込んで印象深い演技をしておりました。松岡と吉田が、同一線状の女優さんだとは思わないが、ともに、ジェーン・スーにつながる何かがあるのでしょうね。自然に納得してみていました。松岡さんに学生時代のジェーン・スーみたいなドラマを演じてほしいと思うのですが。当然、宇多丸さんも出てくる感じになるので、結構、面白い気がする。

とにかくも、最後の方で吉田羊が川辺で主題歌を歌うシーンが印象的な最終回。続編ということではなく、スーさんの違うエッセイをドラマ化して欲しいですよね。マッサージ、整体めぐりの話はドラマになりますよね。是非!

なかなか、感慨深いドラマをありがとうございました。

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