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「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~(第9話)」この古い体質を打破できず、会社が人を軽く扱う先にあるもの?

組織とは何を求めて動くものか?その中で出世とは何か?そんなことを再度考えさせてくれているドラマである。先週のJK5が動き始めた先に、何があるのか?ラスト前の今回は、なかなか中身が濃すぎるくらい濃くて、色んな人に見てもらって、色んな人の今の意見を聞きたい感じであった。

そう、前から書いているように、この原作は古い。しかし、ここで描かれる会社の人事や、女性の働き方の苦しみ、管理職というものの空疎感みたいなものは、今も、たぶん、ほとんど変わっていないのだろうと思う。このドラマも、それなりに現代にアレンジしたものであろうから、その日本の組織に根付いた膿みたいなものは、まだまだ、根が深くあるのだろうなと、感じたりもする。

まず、シリコンバレーから課長として連れてこられたソニン。向井理の肝入りのお飾りという感じだったのだろう。ゴルフ接待での受けは良かったが、部下たちが、雀卓を囲んで仕事を話す中には入れない。確かに、こういう男社会的な組織形成の中には、女性は入れないというは今も同じだろう。それにしても、この男たちじゃ、管理できないかもね。とはいえ、ソニン自体の仕事に対するイメージが明確でないことも原因ではあるわけで、なかなかこういう人事はうまくいかないということですな。

そして、桜井ユキ、先週から引き続きのなかなかのもらい役。彼女、こういう役をすごい味がある感じでこなせるのがわかった。これから、もっと色んなところで使われていきそう。しかし、ワーキングマザーのあり方は、周囲の環境を整えないとなかなか難しいですね。ここでは、出てこなかったが、やはり、リモートでの仕事を増やすしかないのでは?とはいえ、管理職となるとそうはいかないか?こういう面も少子化を促してしまう原因ですよね。そして、旦那が逃げていくという結末。男の理解なくして、子育てができない時代だが、本質的にそれを理解している男はまだまだ少ないだろう。

そして、近藤春菜。昔エンジニアだった私としては、この問題は昔からあって、管理職になるか?スペシャリストになるか?というのは、理系の人間にとったら大きな問題だったりする。そして、技術者として限界を感じたものほど、管理職になろうとするからまたいけない。技術がわかっていないものが技術者を統括できるわけもないのだ。日本の組織が、管理職になるとバカばっかりになってしまうのは、こういうところなのだが、その辺りの新しい考えみたいのをドラマに投げてくれるのが、本当は一番良いのだけれどね。なかなか難しいですよね。

そして、JK5をすすめる向井理は、使えない管理職を次々に切ろうと動く。そして、江口のりこの考え方も同じ。そんな、やり方に反発する今田美桜。メモに書かれた「会社は人」の文字を見て、江口に逆らう。とはいえ、実際の組織の革命などは、向井&江口のやり方が常套手段だろう。そして、その水面下の非常識な動きに反応する今田。実際の社会では、今田が切られて終わりのような気はするが、ラスト、どう展開するやら。まあ、興味深いところである。

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