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「下剋上球児(第4話)」ここでリスタートすることで下剋上感が盛り上がるということか…

突然飛び出した偽教師問題をここまで引っ張るとは思わなかった。次週もその後始末といことは、ドラマの半分まで使ってここを描くわけだ。ネットに書いてあったが、モデルの実話にはこの偽教師話はないらしい。ということは、あえてここにドラマを作るために入れてあるということだ。多分、この「下剋上」というタイトルは、球児の話もあるが、主人公の鈴木亮平の思いとして描きたいということなのだろう。自分の稚拙な考えで偽教師という汚名を負い、警察のご厄介になる。その処罰がどうあれ、この地域の人にも後ろ指を刺される中で、栄光を掴み取る物語ということだろう。それは、今の閉塞感豊かな日本にとっての熱い思いを届けたいということか?ならば、鈴木が法廷にいたりするところから始めてもよかった気もする。そう、ここ4回目まではドラマの初動としたら、前回も書いたがモタモタ感がある。

奇しくも、今回は裏で阪神タイガースが38年ぶりに日本一になるという歴史が動いた出来事があった。人気チームであり、巨人のライバルであるタイガースだが、勝てないことでファンが根強くいるのも確かだろう。今回の日本一にも下剋上感があったりする。まあ、リアルな物語の感動には、やはりフィクションは叶わないとも思ったりした。

話が逸れたが、今回のドラマのメインストーリーは、甲子園予選初戦。一勝して終わりたいキャプテンの菅生新樹は、暴力事件の傍にいたこともあり、自分から出場しないとする。これが、弟の小林虎之介の入部につながるのは綺麗な流れ。試合は、走るだけが取り柄の立花優輝がバントでの出塁、そして彼の足を絡めた先制点から始まる。そして、エースの中沢元紀も良いピッチングをするが、さすがに途中で捕まり出し、リリーフの兵藤巧海の出番も来る。山下美月の応援シーンは爽やか!そして、皆が今までやってきたことを試しながら、最後に逆転かと思わせるが、2対1で逆転負け。とはいえ、コールドにはならず9回まで戦えたことに感動する選手たち。そこに、彼らの成長を見る顧問一同。この試合での相手監督、浅野和之がなかなかよかったですね。老練な高校野球監督という雰囲気をうまく醸し出していた。

そして、鈴木は退職することとなり、校長の小泉孝太郎と警察に出向くまでが今回だが、その前に鈴木が地元のお祭りに呼ばれるところがなかなか印象的だった。華やかな祭りを見せることで、鈴木の心の重さを際立たせる演出。昔から日本映画にもよくある演出だが、鈴木の演技も加味して実に感慨深く流れる時間。そんな中で、小日向文世も野球に対してや孫に対する考えも変わったようなところも見せ、そしてグラウンドには恩師の松平健がやってきて鈴木から手紙をもらったという。刹那さの積み上げ方はなかなか上手い。

ラスト、井川遥と子供達が逃げるように東京に向かう中で、本当の息子ではない男の子が、鈴木と一緒に暮らすと家に戻るところが描かれる。これは、ドラマの救いとしてうまい流れだ。鈴木はこの息子に愛されているわけだ。そう、最後には鈴木の人間性が彼を野球部の監督として復活させるという図式の伏線と言ってもいいのだと思う。

次週は、鈴木の罪が公になり、そして針の筵になる鈴木がいて、それを地域の人がどう捉えるか?そして、鈴木の未来が見えてくるかというところまでだろう。そこまででドラマの半分使ってしまうと、下剋上として駆け上がるのがドラマの第二部後半。そこで、盛り上がるドラマにする気があるのは見えるが、少し見るのが怖いような気もします…。

ラスト、Superflyの主題歌が格好よく大きく流れるドラマであることを期待いたします!

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