見出し画像

「インフォーマ(第2話)」5年前の事件、その残骸のピースを埋め込んでいくスリリングな展開?

藤井道人、脚本監督。なかなかやりたいことをドラマの中にぶち込んでいく感じが心地よい。彼の映画よりも色々とキレがいいような気がする。

対立の絵図は、事件の実行部隊の森田剛VS情報屋の桐谷健太。その向こうにいる石橋蓮司。殺される中に、企業のトップ、政治家、やくざというわかりやすそうな混沌な雰囲気。桐谷と懇意な週刊誌の編集長としてMEGUMIが絡み、それに流されるポンコツ2号とされる佐野玲於が恐怖の中で使われるという構図。

まだ、全体像がよく見えてこない部分があるが、それぞれのピースが少しづつ見えてきて、その一つ一つが、凶悪であったり、かなりの血を見ることとなっているにも関わらず、警察の高橋和也が一番後からついてくる感じが面白い。現在の暴力と革命はスピード感とネットコミュニティーをどうとるか?ということか?

この原作の書評にもスピード感があるというようなことが書かれているが、多分、藤井監督はその部分を結構大事に扱っている気がする。1話30分
弱というのがあっという間に感じるくらいに、話にのめり込むようなカット割がされていて、佐野の恐怖感もよく出ている。

そして、今回も企業のトップを車中に燃やして殺すというシーンは容赦ない感じ。確かにこういうものをテレビで目につくところで流すと批判する人も多くいるだろう。だが、関西ローカルではそれほどの話題にはならないから、流したもの勝ちという考え方か。ともかくも、この過激なテイストは持ち続けたまま、回を重ねていっていただきたい。

そして、森田剛の無機質なただ破壊を考えてるような雰囲気が今回も良かった。彼らが今回潜んでいるペットショップの暗い雰囲気もなかなか不穏な雰囲気で面白い。

そして、桐谷の動きも、彼らにネットを通じてバレていたりする。桐谷がカメラに向かっていちいち、相手を茶化す感じも今時のスタイルか?そう、反社を描くにしても、情報戦をどう仕組むのか?という部分がとても大切なところだろう。桐谷が持ってきたデータの水着の写真のモデルの目の中に情報が入ってるというようなカラクリは、もう結構使われているような気がする。写真の画質が上がるということは、こういうことができるということなのですね。面白い。

全体の構造がわからないまでも、なかなかワンシーンワンシーンに意味ぶかなものが入っていることが重要で、だんだんドラマにエンジンがかかってくる感じが見えるのも面白い。北香那はじめ、女の描き方がこれからどうなっていくのかは気になるが、その辺りもこちらの期待に応えて欲しい気はする。

ある意味、日本のこれからのドラマ作りのあり方を左右する作品になりそうな感触があることにそそられるドラマである。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?