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「しょうもない僕らの恋愛論(第9話)」男と女の恋愛観の相違に基づく考察みたいな・・。

20年間恋した男と、自分から告白して結ばれた。そして、同棲を始める40代。でも、その彼は仕事の独立を相談してくれなかった。そして、酒場で彼女のことを「空気」みたいだから楽だという。その流れの中で20年を振り返り様々な情景を今に重ね合わせる。そして、出した答えが別離。40歳の独身の人々から見れば、まあそうなるだろうという感じではあるが、ドラマの流れとしては、タイトル通りに「しょうもない」というところ。原作は漫画であるが、どちらかというと、こういう流れって小説でよく書かれてきたことという気はする。ある意味、描き尽くされた感の情景ではあるが、40歳過ぎてのこの情景は現代的なのだろう。

全体を振り返れば、矢田亜希子が少し子供すぎるように私には思える。そして、眞島秀和には気遣いみたいなものが足りない。つまり、20歳からの20
年をお互いに恋愛とは関係なく生きてきたことでそのやり方に慣れていない的なものが見え隠れする。

20歳で結婚して、40歳まで続いた夫婦の男が、女房が「空気」のような存在としていてくれたら、それは成功なのではないかとさえ思えるところがあるからだ。そう、ある意味、その関係だけは空気のように、なくては困るようなものであって何が悪いというところもある。

だが、ずーっと恋して欲しかった女にしたら、今が新婚であり、最初から空気といわれるのには違和感があるし、もっと気遣いが欲しいみたいなものもある。それは、二人が付き合い出した時に眞島が全く矢田に気遣いせずにいたところからわかっていたことだとは思うが、多分彼女は「それはまだ慣れてないから」くらいに思っていたのだろう。矢田もまた、恋愛→結婚というものに、20代の憧れのままなのだ。本当にしょうもない。

そして、眞島の昔の恋人の娘、中田青渚にも嫉妬を覚える矢田。こんな不安定な、歳とは違う観念みたいなところで生きている役を矢田亜希子はかなりうまく演じている。それだけに、今回のラストの別れの告白はなかなか重みがあった。まあ、眞島という人間が自分が思うほどの人間ではなかったということだし、その眞島に20年間で大きな希望を持ち過ぎていたということだろう。ある意味、矢田の思い込みがもたらした自分への天災である。

そんな、矢田の別れの言葉を「なんで?」という形で受け取るしかない眞島秀和の演技もなかなか上手い。人間的にはとてもいい人だが、異性に対する扱いみたいなものは全くわかっていない感じをうまく出している。

ラスト前で、この流れになるとは驚いたが、やはりこの話のメインは、眞島と中田の恋愛風景がどう着地するのか?というところなのだろう。もう少し、しょうもない恋愛論に付き合おうと思ったりする。

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