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「ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート~(第7話)」笑顔や技術より患者に寄り添うこと…。

矢野聖人演じる悠木が、患者からのクレームを受けた末に倒れてしまう話。そして本田翼の父親の佐戸井けん太が、久保田の元に自分の病気のことを相談にくる話。そして、末期癌の患者、戸塚純貴の明るく生き抜く話。この3つの話をうまく混ぜ合わせながら、病院の患者に対する在り方みたいなものを語る1時間。なかなか良くできた脚本の回だった。このドラマも2シーズン目の終盤に入り、キャストたちのチームワークが抜群なのは、観ていて気持ち良いところ。なかなか恋愛模様は進展しませんが、ドラマとしては濃くなっていっていますな。

そして、「ドクターX」で秋田に飛ばされてしまった遠藤憲一さんは、こちらでも同時にお休み。まあ、ドラマの制作時期は違うのでしょうが、うまく重なって、逆に存在感を示しているような。まあ、今では必要不可欠なバイプレイヤーはこういう目立ち方もあるのかと思ってしまいました。

矢野が患者に対して笑顔が作れないという話は、こういう現場に限らずよくあることだ。その分、勉強はしているが、笑顔がないので、それがうまく生かせていないという感じ。昔からよくある事例。とはいえ、一昔前に比べ、全ての職業がサービス業的なスキルを求められる時代、そして、ハラスメント対策でも笑顔は重要。時代はどんどん笑顔の人を重要視する世の中になっている。まあ、世の中のシステムの疲弊が笑顔を無くしているのも事実だし、昨今のパンデミックでマスクだらけの街の中で笑顔さえ認識できない中では、こういうクレームも増えているのかもしれない。だからこそ、今度、マスクを外した社会になったときに求められるのは人の笑顔だろうと思ったりもする。そういう意味で、考えさせられた今回の話。矢野は最後までポーカーフェイスなのだが、同じ病室の戸塚との対比でこの大事な問題を視聴者に見せる技はなかなかうまかった。

そして、「笑顔や技術も大事だが、患者に寄り添うことが大事」という言葉が出てきて、矢野がそれを患者として体現していることを認識する。印象的な結び方。

戸塚は、最近は連続ドラマに毎クール使われているようで、顔も覚えられてきたが、コメディリリーフ的な役が多く、今回の役は結構もらい役。こういうシリアス面を持った役に転換していけるといいですな。

そして、佐戸井けん太は、がんに悩む姿から、矢野を検査する段階で一転、医師そのものの演技になって、さすがのベテランの演技だった。こういううまい転換の演技をサラリとやってのける役者さんを見るたびに「すごいな」と思う私であったりする。

矢野の病気が、尿管結石で食生活が原因だったというのは、現代の働き蜂たちへの警鐘でもありましたね。サプリメントの宣伝が多い世の中、それに頼りすぎている人も多いはず。まあ、気持ちの問題なのですが、それが薬ではないということは、効き目は明確ではないということです。みなさん、お気をつけください。

そして、鈴木伸之の本田翼へのバックハグがあったり、窪田が佐戸井に「娘を頼む」と言われたり、恋愛模様は、このシリーズで決着するのでしょうか?

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