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「Get Ready(第2話)」上っ面で改心する人を助ける感じの違和感

この2話で、ドラマの流れはほぼこんな感じで進むのだろうなということはわかった。世の中で嫌われているような人が、死に至る病にかかり、余命の中で改心する姿を見せる。というか、自分が志した本質みたいなものを吐露することで、妻夫木聡が情けをかけ、命を呼び戻すということ。そう、このラストの設定は、医療で治すというよりは、神の手で命を呼び戻すという感じなのだろう。手術シーンがなくても良いくらいだ。今回は、心肺停止が長く続くシーンがあったが、それほどのことが必要か否かというところ。

全ての設定がマンガチックになっているので、ある意味、TBSではなく、日テレのドラマを見ているような気もする。日曜劇場という、どちらかといえば社会性の強い枠でこのテイストはどうなのだろうか?ターゲットがどこにあるのかもよくわからないドラマだ。

今回の患者は、大病院の理事長、柄本明。大学の裏口入学で金を集めているという。そこに、藤原竜也の子供が乗っかろうとする話から始まる。藤原の妻役は市川由衣。かなりヒステリックなお母さん役。可愛らしい女の役からこっちに行ったか?と思ったが、なんなくこなしていた。これから、こういう役も増えてくるのかもね。

しかし、病院のカルテを何でもハッキングできるという設定や、世界中の防犯カメラが見放題という感じにも無理がありすぎる。ある意味、全てがフリーな感じに見えて面白くないのだ。結局、こういうドラマというのは、何かできないことがあって、それをこじ開ける感じが面白いわけで、それがないということが、ドラマをシンプルにしすぎて、小学校低学年の読み物みたいになっているのである。

そして、死が近づき、地域医療をなんとかしたいだとか、新薬を承認させてくれだとか、突然、善人の顔が蘇るような描き方は、前回と同じ。そして、その手のひら返しがあまりにも急なので、これで、人を信じられるか?と思うのが視聴者の気持ちだろう。そう、視聴者が「助けてあげて!」と感じない限りこのドラマの設定には高揚感が出てこないと思うのだが、いかがなものだろうか?そして、その心象風景を描くために、今回も土下座シーンが出てくるが、土下座するような輩の心が澄んでいるとも思えない。また、柄本の息子役の三浦貴大が、最後に涙ぐんで「助けてください」という流れも短絡すぎますよね。

最後に妻夫木が歩いてくシーンで、大学の名前の入ったパーカーに目をやり、何かを思うシーンがあった。これは、妻夫木の過去みたいなものを描くための伏線らしくもあるのだが、せめて、そこが面白い展開になることを期待するばかりである。

来週は警察に追われる患者みたいだが、そういう患者のテイストみたいなものが、一般庶民でないことも、今ひとつ面白みにかけるところなのかもしれない。

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