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「うきわ〜友達以上、不倫未満〜(第6話)」浮遊する門脇麦の演技に、女優たちが蹴散らされていく感じ

社内と同じアパート、そんな近隣の同居人たちが、みんな、今の生活に隙間があって、それぞれに、違う人を愛して心の穴を埋めていく。そう、みんな、うきわを求めて漂流しているということでこのタイトルなのだろう。その辺りは、なかなか洒落ている。

そして、なんか、それぞれの不倫がみんなバレていく様がドラマになっていく。上の写真のシーン。門脇が、トイレで、夫の不倫相手が誰かを知るシーン。相手の蓮佛美沙子はさすがの演技である。こういう傍の目立つところにおくと、本当にひかる。そして、優等生の自分を毛嫌いする感じがとても良い。そう、思いっきり美人でないところもいいところだ。そして、その彼女の存在を特に怒ることもなくスルーする門脇。共犯者という感じなのだろうか?門脇の存在を受け止められる女優だからこそ、このシーンは映えるのだが、門脇の存在感がだんだん強くなってきた感じ。

そんな中、西田尚美は、相手のいる陶芸教室を辞める。次回予告にあるように、女が去っていくと、男は燃えるようだ。ここの不倫関係は、一歩進んでいく感じ。冒頭で、門脇に怒る西田という妄想シーンがあったが、そういう普通の不倫ドラマにならないところが、このドラマの面白いところなのだろう。この役も、西田であることで、門脇の敵対感みたいなものが強く見える気がする。

とにかく、全員が、不倫状態にある。そして、主人公の森山と門脇は、まだプラトニックの中にある。つまり心の穴と、性の穴は違うわけである。そして、欲しい愛情は何かは、門脇も森山もわかっていない感じが面白い。

そして、今日は、そんな不倫プレイヤーたちを、社内のお祭りで集めるというのがメインの趣向。そこで、最初に書いた、門脇と蓮佛の対峙のシーンを普通に見せることができる。まあ、社内のオブラートに包まれた家族交流がなかなかうまく描かれていた。最近は、こういう催しをやる会社も少ないだろうし、今の世情では、もうこんな企画すら出ないだろう。こういう社員交流は戻ってくるのだろうか?などと、昔話みたいに見れるのが悲しい感じもする。

そう考えたら、不倫もなかなか、難しいのが現状だろう。いや、だからこそ、ホテルは不倫カップルで溢れているかもしれない?そんなことを考えながら、まったりと人の心の襞みたいなものを考えるのだが、このドラマ、どこに落とそうとしているのだろうか?視聴者の方も、なんか、心の穴が気になり出す感じは、今までにない触感なのですよね。森山直太朗というキャスティングもなかなか生きている感じがする。

そして門脇、西田、蓮佛と、女優たちの存在感が、微妙にふらついている感じがまた、なんか、またみたくなる空気感を醸し出しているのがいい。うきわを持っているのは、男なのか?女なのか?回を追うごとに、迷宮に入っていくようなドラマである。

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