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「真夏のシンデレラ(第3話)」皆が自分自身を大切に思っていない感じが違和感なのだろう。

前回の項で3回目が勝負所と書いたが、脚本家は勝負をする気配もない感じがする。そして、スタッフもそんな脚本をあまりいじらずに演出してしまう状況が見えてくる。はっきりいって、脚本スクールで、恋愛のショートストーリーを書いてくださいと言われて、書いた短いシークエンスを繋げてるだけみたいな感じなんですよね。連続ドラマというのは、連結ドラマまではないのだ。ワンクールに渡って、ドラマが続かなくてはいけない。どうも、この脚本続けるエンジンにかけるようだ。

初回は、最後に間宮祥太朗が森七菜にビーチサンダルを履かせて、「シンデレラ」というタイトル回収をした感じに見えたが、そこから森七菜の生活は何も変わらない。そして、先週、神尾楓珠に待ち合わせを裏切られたりする。間宮の恋心もしっかり届いていない。それに続いて、今回は森がサップの大会に出られることになったのに、それを父親の山口智充が人助けで金を使ってしまい行けなくなるという。このシンデレラ、貧乏から抜け出す気配がない・・。そして、夢が壊れる理由も「何?」としか思えない。誰も、乙さんいい人だなんて思えない。

というか、森七菜はサップを教えてはいるが、自分がその大会に出るようなアスリートだったという説明が今までなかった。それこそ、初回で江ノ島の大会で優勝するみたいなシークエンスが必要だったのではないか?今回、初めてジョギングするところとかが出てきたが、走りはアスリートっぽい森である。だが、実際は見てくれからそういう人に彼女は見えない。ある意味、この役、家を仕切る若年寄り的なところ以外はミスキャストでは?と思ったりもする。失礼かもしれないが、彼女をめぐって男2人が取り合いするような感じが見えてこないのは辛い。

そして、神尾楓珠と桜井ユキの関係については今回出てこなかった。それでいて、最後の嵐の中で森を助ける神尾がいて、それを見てしまう間宮がいる。神尾は桜井のことをこういう時に考えないのか?そう、心の中をうまく表現できていない。間宮にしても、都会でプレゼンしていた人間が、江ノ島まで心配で見にくるってなんか変?最初に、習作脚本と書いたが、下手な習作脚本だ。初回からそうなのだが、江ノ島と都会の距離感がないのは何故?

そんな中で、間宮の友人の白濱亜嵐が美容師目指す吉川愛に、予約の取れない美容室をプレゼントする感じは、昔のトレンディードラマ的で良かった。しかし、その後、自分の部屋が汚いので、萩原利久の家を自分の家だと偽って泊めるのは「なんだ?」という感じ。多分、脚本家の夢見妄想が弱すぎるのだろう。こういう恋バナは、結局、どれだけ異次元に書いてる自分を昂められるかということが大事だ。そういうありそうでないシーンを書けないと辛いかな?と思う。

そういう意味では、一番、定石的にうまく書かれてるのが仁和紗和と水上恒司で、最後に、水上の本当の職業もわかったし、仁和に子供がいることもバレてしまったから、その上での恋愛がしっかり描けるのかな?しかし、元夫が森崎ウィンだとはね、勿体無いキャスト?

でもね、結果的には、キャストが皆、自分を好きだというところにいないところがドラマが進まない理由だと思う。それぞれのキャラを愛せるような位置にいる役者が一人もいない気がする。ただただ、心模様が散漫なのだ。

とにかくも、これでは視聴率は伸びないだろう。ドラマ中盤、記憶に残るようなストーリー作らないと本当にウダウダなまま、どのキャストにもシンクロしないままに時間が過ぎていく感じがする。江ノ島の風景見せたいだけならそれでいいが、それにしても、タイトル通りの「シンデレラストーリー」があったりするのかね?


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