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「しょうもない僕らの恋愛論(第10話)」しょうもない過去と、今が交わる時

先週、真島と矢田が別れて、そこから三年後の話が最終話。とりあえず、眞島は独立して、寝ずに仕事をしてる感じ。この余裕のなさはわかるが、それではこの先どうなるのか?クリエイターは今に必死で、意外に未来は見ていない。そして、このドラマは過去の記憶が蘇って、そのしょうもない過去に自分がまだ色々とこだわっていたりするのを描いていたりする話だ。

しかし、最終回に酔っ払って飲み屋の階段から落ちて、足を怪我するとは、この主人公は、ある意味、全体的に間抜けにできているということか?40過ぎて酒に飲まれる歳でもないだろうが、そういうところが残っている中年というものが描きたいというのはわかるが・・・。

昔、一目惚れして逃した女の娘からSNSで連絡が来る。そして、その顔立ちがそっくりの高校生と交友することになるが、男は高校生に惚れるほど野暮ではなかった・・。そして、昔から彼を好きだった矢田と同棲するのだが、それも壊れる。愛されることは得意でなかったらしい。そんな男の気持ちはわかるが、・・・この辺りの描写は男の刹那さみたいなものを感じたりもした。

そして、矢田は三年後も海外赴任するわけでもなく会社で働いている。そんな中、新潟に赴任する古舘祐太郎に、再度告白され、遠距離恋愛を迫られる中、うなづいてしまう。愛するよりは愛されたいということか、この流れにも打算が感じられる。古舘には若さを感じるが、矢田は浮遊するだけ。

そして、中田青渚も、眞島を好きだったということがわかるが、結果的には眞島の心は動かず。親子とかそういうことよりも、過去の母親への一目惚れの状況がいまだ鮮烈すぎて、娘をその代替えにできるものでもないのだろう。若い心は愛を積極的に乞うが、中年はもはや愛が怖く、愛するのも愛されるのも衝動的なものでは動かないということ。そんな、心象風景はよく描けている作品だった気はする。

そして、その上の世代である、中田の祖母の手塚理美は店を閉めるという。この決断は、今のドラマとしては少し早い気はする。今や、隠居などをする老人は必要ないとされるような時代だったりするからだ。とはいえ、最終回の刹那さの一風景としてはそれもいいか・・。

そして、眞島はワカタマコ氏の表紙デザインに復帰。でも、これは過去との決別にも、未来へのアプローチにもなってはいないのが寂しい。だいたい、まさかの木村祐一演じるワカタマコ先生が、思いっきり黄昏ていますものね・・・。そうそう、昔「たそがれ族」なる言葉が流行った時期がある。このドラマは、いわば「現代版たそがれ族」と言ったところなのでしょうね。この辺りの恋愛模様は、もっと掘り下げて色々作ってみてもいいかもしれなせんな。でも、やはり、熱い恋のマグマが突然吹き出すみたいなのがいいかな・・。

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