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「恋ノチカラ」に力をもらった年末。こういう時代が戻ることを祈る!

新年、あけましておめでとうございます。今年も、元旦から書いております。気づいたら、読んでいただければ嬉しいです。

「カムカムエブリヴァディ」で深津絵里のことを書いたときに、書いたが、TVerで2002年放送のドラマ「恋ノチカラ」を久しぶりに再見した。なんだろう、すごい面白かったし、今のドラマに比べて、とても脚本がしっかりしていると思えた。時は、まだ地デジになる前の制作である。だから、画面は4:3だし、もちろん画質も良くない。でも、ドラマとしてちゃんとできていれば、そんなことは関係ないのだと思った。

このドラマ、深津絵里、堤真一、坂口憲二、西村雅彦、矢田亜希子の5人だけのドラマだと言ってもいい。脇のキャストがその5人を盛り上げている感じ。そう、テレビドラマって、そんなにダイナミックな世界を描くことはないのだ。思いが伝わればいい。そう考えると、昨今のドラマは賑やかすぎる。お金のかけ方はあまり変わらないと思うのだが、古き良きドラマ作りが懐かしかったりする。多分、昨今は映画にしてもあまり変わらないような感じだから、この感覚は間違っていないだろうと思う。

そして、役者をアップで見せていく部分が多い分、役者さんたちの表情も実に良い感じに視聴者に訴えてくる。こういうのいいよねって思うのは歳なのだろうか?

そう、話も、会社と喧嘩した広告屋さんが起業して、勘違いで女の子を雇って、その上、大企業の包囲網に押し潰されるところから始まる。まあ、昨今の起業でこういうことはないだろうと思うから、そこは時代的なものを感じるが、まあ、クリエイターが営業できないのは今も同じであろう。ただ、営業は、ネット内で行われるように変わってきている。そういう点ではインターネットが出てこないドラマなのだ。そう、デジタルに侵されていない時代の話。それはそれで、懐かしいが、古い話である。携帯は出てくるが、それは電話とメールを少しするものだ。そして、それがドラマにもたらす効果はそれほど大きくない。あくまでも、恋愛物語としては古典的だ。だから、しっくりする部分もあった。そう考えると、これと同じニュアンスで恋愛ドラマを作れなくなってしまったこともよくわかる。機械に振り回される恋愛像はあまり楽しくない。

最後に会社が潰れずにすみ、恋愛もうまく運ぶ、楠木文具は初回から、いい感じで視聴者を掴んでくる。こういうわかりやすい伏線もなかなかうまい。脚本は相沢友子。初期の作品だが、傑作である。バブルの残り香があるが、時代はかなり厳しいという空気感もよく出ている。でも、すごい素敵な恋愛ドラマに仕上がっているのは、キャラクターがなかなか愛しい存在であり、視聴者とシンクロできるようなところがあるからだろう。

そして、深津絵里。30歳を演じる彼女は、20歳を演じる今よりも老けて見える。つまり、今の朝ドラの演技というか存在は何なのだ?とんでもない女優さんである。そして、今の演技が成長した彼女なのだろう。長く、女優さんとして現役でいてほしい人である。

最後の「エンピツネズミ」がブレイクする様は、なかなか痛快である。そして、ブレイクってこんな感じなのだろうな、とも思えたりする。そう、皆の思いが奇跡を起こすのだ。

年初から何が書きたいかというと、20年前のドラマにすごい力をもらった感じがしたという話だ。ある意味、ドラマや映画って、何年経ってもパワフルであるようなものを作るべきだということだ。小田和正の主題歌も、今も元気をくれる。そう、今年はキラキラな一年にしたいと思ったのだ。



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