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「うきわ〜友達以上、不倫未満〜(第7話)」心が波立つうちは、まだ「うきわ」から離れられる?

来週が最終回のようだ。とはいえ、この7話まで大きなドラマチックな事はほとんど起こらなかった浮気ドラマである。そう、そんな時間をかけて、それが特に強い思いではないという人たちは離れていく。大東駿介と蓮佛美沙子の関係が、一番よくある浮気風景。そして、西田尚美は元の生活に戻ろうとするが、浮気相手の気持ちが逆に高まる。これもありがちな風景。どちらにしても、男たちは女々しい感じを抑えられない。今の世の中はそんな感じだろう。女でも一人でやっていける時代なのだから…。

そんな中、門脇麦の心はただただ、現状から逃げようとして、森山直太朗に近づいていく。これも、ドラマによくある恋愛関係ではなく、すごくリアルな心の惹きつけられ方に見える。たまたま、隣同士というのがそうさせるのだろうが、なかなか難しい心の襞を秀逸に演じている門脇に興味がそそられる。

しかし、大東駿介に至っては、浮気の時間が亡くなった瞬間に、実につまらない男に描かれていく。まあ、これは、門脇が大東に振り向かないという意味なのだろうが、ダメ男を綺麗に演じ切る大東もなかなかである。

そして、今回から、門脇と森山の会う場面はジョギングに変わる。そう、これは何を意味しているのか?アパートのベランダとゴミ捨て場以外の逢瀬の場が広がったという事なのだが、二人のカップルにとっては、能動的な舞台を用意したという事なのだろう。この変化だけで、不思議な転換みたいなものを感じさせるのは、新しい。

森山も門脇も、生きるための最後の「うきわ」にしがみついているという事なのだろうが、そこに森山の転勤の話が決まる。まあ、ということは、全てが元さやに収まって、新たな生活に向かうという事なのだろうか?まあ、単身赴任で、もっとぐちゃぐちゃになっていくという展開も考えられるが、そういう面倒臭いドラマではないようだ。

ただ、今の世の中、携帯でもネットでも顔は見られるし、話はできるわけで、そういうものを「うきわ」にしていく展開も考えられますよね。どちらにしても、私的に興味があるのは、門脇が、それを聞いて、どういう反応をして、どういう行動をとるのか?ということかもしれない。人が生きる上で、特に異性に興味がある上で、交わり合おうとした心をどう未来に繋げて考えるか?ということだと思う。とにかくも、門脇の心の場所がはっきりとは見えないような状況で最終回に入る。まあ、そう言っても、そんなサプライズ的な展開はないようにも思えるし、…。でも、この空気感のままで8話のドラマがうまくつながって、それなりに面白い事は、記憶に残るドラマだということでもある。

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