「アンメット ある脳外科医の日記(第10話)」愛した記憶は消えないのか?もう少しちゃんと知りたい
前回、杉咲花が、若葉竜也のことを誰かわからなくなった展開はドキッとしたが、そういう瞬間的な記憶障害が多くなっていく前振りだったということなのだろう。そして、井浦新の病院の会長の酒向芳が逮捕されたこともあり、井浦と若葉が杉咲の記憶障害について語ることになる。やっと、ここで、その原因が、手術できない領域「ノーマンズランド」にあり、そこを取り除くには、2分以内で手術を終えないと、治せないということが視聴者にも明確になる。
そして、若葉は細い糸で手術を早くする練習を始めるわけだが、杉咲の答えは、手術には消極的。まあ、どんな一般人でもそうではあるだろう。しかし、井浦も手術の練習はしており、10分かかるというと、若葉が8分30
秒だとかいうところは、若葉の好かれない性格をよく表している。ただ、優秀な外科医というのは、こういうマウントを取るものだろうということはよくわかる気がする。
そんな話の中に入ってくる、街中で似顔絵を描いていて、てんかん発作で運ばれてくる加藤雅也。加藤は、最近、汚れ役も進んでやっているようだが、こういう役もやってしまうのですね。役者として生き残るために、2枚目だけでは無理があるのだろう。で、今回のてんかん発作が出るところから、なかなかの名演技。そして、脳腫瘍があって、命の先は短いという判断。そして、妻(赤間麻里子)の看病も叶わず、記憶をなくしていく。だが、看護師の食事は受け付けないのに、妻の勧めなら食べるという展開。
そして、脳の内側前頭前野には、愛する人の記憶みたいなものがこびりつくみたいな話が出てくる。こういう話が聞けるのが、このドラマのいいところ。そう、恋心はどこで発症してるのかはよくわからぬが、恋する人の記憶が相手の脳に映り定着するような話は、「それが愛?」と思わせるような話であり、私的にはかなり興味深い。そう、そういうものが定着しないと離婚するのかもしれませんね。その脳の交換みたいなところを結婚というなら、同性愛も納得がいくわけで、なんか、すごくいい話を聞いた気がするし、相手に先立たれた人が追うように亡くなる現象も、なんか理解できますよね。そこのところで、ドラマ書いてほしいな!
で、今回も今泉力哉監督登場でしたが、若葉竜也が避けてるのが面白かったですね。監督、これに味を占めて、ご自分の映画に出てくるの待っております。
そして、今回のラストに杉咲は倒れる。新たな症状が出てきたのか?手術は行われるのか?気になりますが、花ちゃんには幸せになってもらいたい。そういうオーラを出す女優さんですよね。儚げだが、芯の強さを感じさせられる人ですよね。とにかく、今期のドラマの中で、1、2を争う傑作ドラマにはなっております。ラストの幕を綺麗に閉じていただきたい!
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