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「最高の教師 1年後、私は生徒に■された(第4話)」居場所がない、などという気持ちはいつ頃からあるのか?

今回の主役は金髪で目立っている本田仁美。学校では、でかい顔をしてるやつのいうことを聞いているだけ。そして、家では優秀な妹と比べられる。そんな中で「居場所がない」という、最近、よく使われるフレーズが出てくる。昨今は、会社に行っても同じようなことが言われる。いや、この言葉は会社の中で使われたのが最初かもしれない。そう、よく幽霊みたいな存在感のない人みたいなのと同意語かもしれないが、なんか、現代用語としてもあまり気持ちいいものではない。

つまり、集団から疎外された人々を無機的に捉えるときにそんな用語が出てくるわけだ。だが、それは、社会的に作られた組織に馴染めない人ができてしまったということなのだ。そして、その根底には、日本が明治以降作り上げた組織というものが、一定の洗脳をかけるものでしかないということでもある。そういう社会的洗脳機能の第一章である「学校」という組織は、まず、教師を洗脳するところから始まり、ある一定の水準の国民を育てるために今日も機能している。そんな古臭いものが、このインターネット社会の中でいつまでも通用するとは思えない。ある意味、このドラマの舞台、3年D組は、そんな現代の教育の終末図である。そして、それを普通にまとめようとした教師が殺された。その本質を追うというドラマだ。

ある意味、真面目にそんなものを描こうとすると、ここにあるように重くエグい話になっていくのだろう。今回の話、本田仁美は、少し先輩の幼馴染に、マッチングアプリに売られようとしている。そして、松岡茉優が体験した未来では、彼女が男をカッターナイフで刺すという未来があるらしい。それを回避するために、同級生で本田に気のある窪塚愛流に、彼女の道を修正させる。まあ、おせっかいな話であり、こううまくはいかない感じはするが、これで記憶にある事件は起こらないということなのだろう。結果的はあまりスッキリしないオチだと思った。

で、ネットでは、窪塚洋介の息子の話が多く出てるようだ。確かにいい男であり、これから使われていくだろうが、父親が「GTO」に出てきた時のエキセントリック感はない。時代は、そんなにぶっ飛んだものを求めていないからだろう。

しかし、描かれる生徒たちはある意味紋切型であり、面白みには欠ける。だから、「金八先生」を少しゲスにしたに過ぎないと思えるわけである。もう、学校の洗脳という本質をもっと前面に出せばいいのではないか?そして、もっと自分軸を持った人間を育てる教育に変革させるような話なら面白くなるような気はする。そう、いいも悪いも、ここに描かれる生徒たちは、みな他人軸の中で動いている。大きな夢をそこに感じないのはやはり、人間として欠陥品の集まりみたいにも見える。まあ、そんな変革的な人生観の中で脚本は書かれてはいないのだろう。そんな気があったら、「二度目の人生」などという技は使ってこないだろうしね・・。

そう、今回は最初に夫の松下洸平に、自分が二度目の人生だと話したところから始まり、最後には生徒が、松岡茉優がタイムリーパーではないか?と疑いをかけるところで終わる。結局、そっちの方でドラマを盛り上げようとしてるなら、やはり、ただのゲスな学園ドラマで終わりそうな気はする。完璧に「ブラッシュアップライフ」ありきのこのドラマですよね。次週は折り返し点。なかなか激しい二学期が始まりそうだが、ドラマは面白くなっていくのでしょうか?

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