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「アンメット ある脳外科医の日記」記憶がなくなっても、心が覚えてるという不確定さの中で、何を言いたいのか?

原作は「モーニング」連載中のコミック。脚本、篠崎絵里子。そして、主演は杉咲花。初回を見る限り、なかなか興味深いドラマになりそうな感じである。このCXの10時代のカンテレドラマは、その前の月9と比較されてしまうのはあまり良いことではないが、今度も月9よりも面白そうな題材でせめてきている。

で、最近は、同クールのドラマで同じ題材を取り上げるドラマがあることが多々あるが、今回もTBSの「くるり」とバッティングしている感じ。こういうのは、見ている方としては何かと比較してしまい面倒臭い気がするが、こちらは脳外科の話であり、向こうは恋物語だから、まあ違う話なのでそんなに気にすることもないか?

ここでは、主役の杉咲が、2年前に記憶をなくし、今も毎日、その日の記憶が次の日にはないという状況にあり、医師免許は持っているものの、医療行為はさせてもらいないという状況の、ドラマにするには興味深い話。そして、彼女の記憶は、毎日書く日記にかかっており、それで、このサブタイトルが付いているわけだ。

そんなところに、アメリカ帰りの脳外科医の若葉竜也がやってくる。若葉もキャリアが長くなってきたが、彼のやった役としてこういう朴訥で訳のわからないのに、何か格好いい役って初めてではないだろうか?初め、誰だかよくわからなかったですよ。でも、杉咲に対するアプローチの仕方、そして、彼女に自信をつけるような感じは演技的にもとても良かった。そして彼は杉咲をサポートするという役かと思ったら、杉咲の記憶から抜けた彼との過去があったのね。それがドラマとしてどう繋がってくるのかは興味深い。

杉咲自身も、アップが多いのに、そばかすがよくわかるような、薄いメイクで芝居していて、何かすごく親近感が湧いてきた。元から、表情が素敵な人だが、今回も心の細かい機微の演技が出色であった。そう、心の演技というが、ここで、若葉が「記憶がなくても、心が覚えてることがある」ということを言う。脳外科的に、「心」ってどこにあると思ってるのかは気になった。その仮説がこれから出てくるなら、興味深い。

初回の患者は、人気女優の中村映里子が、失語症になり、言葉を取り戻すまでの話。そこにオーバーラップさせて、若葉が、杉咲を手術に参加できるようにしていく。多分、若葉は杉咲の外科医としての技術を知っており、それを信じているのだろう。いわゆる一般的な日常の記憶と、経験値で学んだ技術は別のところに格納されていると言うことなのだろう。この辺りのもっと詳しい説明も欲しいかな。

そして、中村のマネージャー役が風間俊介。まあ、いつもの優しい役であるが、こう言う役やらせたら、日本で右に出る者がいない感じですよね。ある意味の地味さが彼に俳優としての価値を与えてるのだろう。

さあ、なかなか面白そうなドラマが始まったと言うところ、

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