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「不適切にもほどがある!(第10話)」その時代で生きずらくとも、未来は君に寛容であるかもしれない

ラスト「この作品は不適切な台詞が多く含まれますが、時代による言語表現や文化・風俗の変遷を描く本ドラマの特性に鑑み2024年当時の表現をあえて使用して放送しました」という但し書き。まあ、これは当たり前の話であり、ドラマは時代を象徴するコンテンツだということだよね。しかし、最後に三宅弘樹が小野武彦になっていて、2054年から来たという。つまり今から30年後。まあ、そんな先のことはわからないよね。リニアモーターカーのトンネルが、使い道なくてタイムトンネルになっててもおかしくないよね。万博をやるのかどうかはともかくカジノができて大阪の治安がカオスになっていたり、東京は地震でぶっ壊れてるかもしれないものね。マッチングアプリなんて、デートからチョメチョメまでバーチャルでしちゃって、SEXで子供など作るのは、かなり古い考えになって、人工授精が当たり前とかさ。そして、AIにこき使われる人間たちみたいな構図もあるかもね・・。とにかくもこのドラマで1986年と2024年が全く異質の世界だったということは確認できたし、これって、日本のSFドラマという観点から考えたら最高傑作だったかもね。最後のオチがタイムトンネルなんだぜ!

で、クドカン、流石に最終回のまとめかた最高にうまかったね。最初に、コンビニのレジにくる阿部サダヲの手慣れた姿に彼のアップデート感をはっきり出して、ちゃんと彼のアドバイザー仕事を吉田羊に振るってうますぎる!

そして、最後のタイムマシン旅行に仲里依紗を連れていくということから何が起こるのかと思ったら、仲と河合優実がSCANDALで食事するシーンだけだった。でも、それがあまりにも刹那くてさ、そしてナポリタンの美味しさに未来に文句言う仲も良かった。そう、ナポリタンとかクリームソーダは昭和のが一番だ!

そして、色々まとめていく中で、坂元愛登も帰ることになって、すごく刹那い中に、坂元が河合のおっぱいを見たみたいな話がさらりと入ってきて、なんかすごく羨ましく思ったりするドラマなんだと思ったら、彼が友達になった佐高くんが、スーパーカーに乗った成田昭次になって出てきたのにはびっくりポンであったが、その成田に真面目にタイムマシンへの投資を頼む吉田羊がすごくクールだった。というか、こういうシリアスなものと飛躍したものを見事に融合させる技はもう、クドカン以外はできないような妙技ですよね。

で、これは、ここがかなりのテーマ性を持ってるところなのだろうが、令和のコンプライアンスにならされた阿部サダヲが、昭和の無理やり歓迎会を抜け出すほどに違和感を感じるところが大事なところなのだろうな。多分、高度成長期で街や物が変わっていく時代だったのが昭和で、バブルが弾けて、そういうところがグズグズし出して「失われた30年」などと言われ、政治家は自分が独裁者と勘違いするも、日本人の心の中は全く違った成長を果たし、そんなのはおかしいと声を上げる感じになってきてるのだ。だから、宴会など馬鹿らしいという時代に、政治家だけは宴会やって裏金作ってる。そんなとこに脚本は突っ込んではいないが、そんなところが読み取れるのがすごいのですよ。そして、阿部教頭の卒業生に送ることば最高でしたね。そう、昭和なんかより今が一番面白い時代だと僕も思います!

そして、最終回のミュージカルシーンは、「寛容になる」をテーマに何かカーテンコールのような感じで最高でした。もう、クドカンに全編ミュージカルの連ドラ書いて欲しいは!

で、阿部が令和でやっておいたマッチングアプリのイタズラも良きラストと良き未来を感じさせていただきました。さあ、ここで皆が考えるのは。本当に阿部と河合は阪神淡路大震災で死んでしまうのか?彼らの違う未来も見たい気がしますよね。でも、まあ、そんな蛇足はいらないか・・。だって、阿部が昔発注したスーツ着るシーン、このドラマの中で一番好きな私です!

とにかくも、久しぶりの宮藤官九郎先生の連続ドラマ、大変面白く拝見させていただきました!2054年に思いを馳せて、生きてまいりたいと思います。

スタッフ、キャストの皆様、また、どこかの時代でお会いましょう!

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