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「東京放置食堂」伊豆大島と、くさやと、片桐はいりという化学反応

この時間の前作「八月は夜のバッティングセンターで」と同様にゲームアプリ原案のドラマ。ゲームもストーリーが大事な時代、ドラマとしてそれを使うのもありだと思う。今回で3回目。

舞台は伊豆大島。ここも東京だという括りで、都会に疲れた人々が流れ着いてくる話。こういうストーリーは、観光推進には良いかもしれないと思ったりもする。いや、このコロナ禍で疲れた時だからこそ、東京から逃げ出したいと、東京に行き着く人も多いのかもしれないと思ったりもする。そう、テレワークをするのは良い場所として流行りそうな気もする。実際は、どうなのでしょうね?

そして、テレビドラマは初主演という片桐はいり。その個性はもはや全国区であるが、主演でドラマを撮るという発想が今までなかったのか?と思ったりもする。役柄は、元裁判官。それに疲れて流れ着いたのがこの島。そして、毎回、来た時の流れが少しづつ冒頭に語られる。今日は、くさやに出会ったところ。最近は、お酒を飲む人が少ないから、若い人はくさや自体を知らない人も多いのかもしれない。臭いが上手いという、不思議な食べ物。このドラマ、やはり臭いが漂うような演出が欲しい。

毎回、大島に流れ着いたゲストに、くさやを食べさせて、考えさせる。「臭くても、うまけりゃいいんだよ」ということに、何を感じさせたいのかはよくわからない。

初回はIT会社の社長、2回目はアイドル、そして、3回前は出所してきた男、竹中直人。片桐の芝居優位で続いてきたこのドラマ、初めて対等の芝居をする人物が漂流してきた。そして、期待を裏切らずに凄みのあるステージみたいなものを見せてもらった気がする。まあ、こうやって疲れて逃げてくる場所があるということは良いことである。伊豆大島にメンタルヘルスの仕事してる人間を集めて、人生を振り返る場所にするというのも良いかもしれない。

そう、このドラマでも言っているように、コンビニなどない空間は今や天国だ。くさやで酒を飲みすぎることはあるかもしれないが、なんかとっても羨ましく感じる人は多いでしょうね。

そして、片桐と飲み屋を仕切る女、工藤綾乃、とっても健康的で、素な感じがすごく美しく感じさせる。ドラマのアクセントにもなっている。まあ、彼女がいるだけでこの酒場に通うという感じはあるだろう。

そして、酒場の名前の「風待屋」。みんな、流れてきて、暗い氷室で寝かされて、なんか吹っ切って、また風に吹かれて帰っていく。東京がそんなに良いところとも思わないが、その活気がまた恋しくなるのか?

ドラマの最後は、片桐はいりも帰っていくのだろうか?そうなったら、片桐の裁判官ドラマ見たいですよね。

なんか、30分間、伊豆大島にふらりと行き着いたような感じの素敵なドラマである。

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