見出し画像

「最愛(第8話)」ボールペンから、犯人は5人に絞られたのか?

結局、このドラマ、何が壊れ、何が結ばれるのか?というところにあるのか?個人的には、強引な捜査一課長の津田健次郎が気になったりもするが…。彼のことを螢雪次朗が語る台詞が重要な気がしただけだが…。こういう強引さが、人間社会には邪魔なことが多い気がする。

今回は、及川光博が会社の不正を知っていて、さまざまに人を動かしていたことがわかってきた。でも、酒向芳に500万円を渡そうとしたのは、そこと繋がっているとも思えない。会社の不正事件と、酒向が殺されたこととを結ぶ何かがあるのだろう。そこの真実に近づいていっていることは確かだ。

そして、最後の名古屋のHOMEのボールペン。それを持っていたのは、5人。これを薬師丸ひろ子に言わせる吉高。指を折っていく演出は、なかなか視聴者の心を誘う。その中に犯人?そして井浦新が一人歩くシーン。でも、そんな単純なことでもなさそうである。ボールペンが誰から誰に渡ったとかそういうことも考えられる。

そう、点が線でまだ繋がってきていない。そして、ラスト岡山天音の登場に、故郷の15年前とまた繋がってくる予感。でも、今の会社の不正が、15年前の故郷で起こったことと繋がっているわけではないだろう。そして、ここで散りばめられた事件で騒がれることが誰の心を脅かしているのか?井浦新?薬師丸ひろ子?

なかなか、オリジナル連続テレビドラマの面白さみたいなものをうまく使って見せているように感じる。そして、前にも書いたが、音楽とカットのシンクロをうまく見せながら、リズミカルに視聴者の心に中を抉ってくる感じ。今年のサスペンスドラマの中ではピカイチだと思う。あくまでも、結果が見えないこの時点で言うことだが…。

そして、吉高由里子の演技を見ていて飽きないのがドラマの魅力でもある。それに呼応する松下洸平とのコントラストも、その濃厚な感じがこの回まで全く褪せないのはなかなかである。松下は、これからもっともっと伸びてくる俳優さんなのだろうなと感じる。

ストーリーとしては、前回は田中みな実の回で、今回は及川光博の回という感じで進んでいるが、来週はどこにフォーカスを当てるのか?このいう流れも、連続ドラマだからなせる技なんですよね。そういうテレビ的なものをうまく技として取り込んでいる脚本は優秀だと思います。あと、2回か3回というところだろうが、どう展開させ、どう落とし込むのか?とても楽しみなところ。多分、そんなどうしようもないものにはならないような気はする。

その上で、このドラマの描きたいものが明確に見えてくるように願うばかりです。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?