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「パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜(第7話)」万能遺伝子の奪い合いという、実際にもありそうな話に危うさを感じる

娘が誘拐され、思いっきり全力で走る、ディーン・フジオカ。彼をこの役に当てたのは、このためかと思わせる。こんなに必死こいた感じに走れる役者は彼しかいないだろう。こういう場面が生きる役を彼に与えたいと思うのは私だけではないだろう。

そして、物語の芯は、遺伝子戦争みたいなものだとわかってくる。その免疫万能の遺伝子を持つ人間が、フジオカの妻の本仮屋ユイカだったという話だ。その妻が双子だったということがわかる。片割れが、岸井が開発していたプロメテウスウィルスに感染したものの、老化しなかったという状況から、全てのパズルが解けていく感じは、面白くはあった。

こういう結末というものをタイムリーと感じていいのだろうか?この2年間のパンデミックで、我々は、免疫を操作するものを体内に入れた人が多いわけである。それも、世界規模で。ある意味、一つの薬を全世界で治験したわけで、その結果は一部でいろんな事象を出しているという報告もあるが、世界規模で行った事象に対し、善悪は明確にされないままに、歴史の藪の中に曖昧にされていくような気もする。これから、数年経った時に何が起きているか?という話になりそうだ。

そう、このドラマの遺伝子操作の話も、20年以上昔の話がここで浮かび上がってきているのである。薬学関係は、実際に良い薬を作っても、利権の絡みで、消されてしまうようなものがあったりするわけだから、こんな話が実際にあっても不思議ではない。というか、金や政治が絡む時点で、胡散臭い部分があるのが困るわけである。人類が病に勝つためにという方もいるかもしれないが、そんなに簡単に神の領域を飛び越えることはできない。そして、飛び越える時に、理性が働き、コーションが鳴るのも人間だったりする。その役を岸井ゆきのが演じてるわけだ。

もちろん、完全に、どんなウィルスにも万能に耐えられる遺伝子など存在することはないとは思う。あくまでも、この話はフィクションだ。それを視聴者が理解することで成立しているのだが、昨今は、AI進化の話と同じように、遺伝子をいじる話はあちこちで行われているだろうし、実際、さまざまな研究の中で何が生まれているのかはわからない。その気持ち悪さみたいなものを私たちは、頭に叩き込んでおくべきだ。

そういう気持ち悪さみたいな意味で、フジオカの娘の遺伝子を狙う一味として、最後に鷲見玲奈が出てきたのには、少し、恐怖を感じた。こういう綺麗なお姉さんが一番怪しいみたいな感じが恐ろしさを倍増させるのだ。加藤雅也が直接手を下すのなら、面白みはないですよね。しかし、この間「DCU」に出た時も書いたが、加藤雅也、老けましたよね。なんか、いらん薬を服用してるのではないかと疑うレベル。いや、竜宮城に行ったような感じ。

まあ、ラストに向けて、遺伝子の奪い合いみたいなものがあって、決着しないまま、HULUのシリーズに繋ぐ感じですかね。

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