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「インフォーマ(第10話)」情報屋と週刊誌記者は生き残れるのか?

凄惨なシーンをさまざまに演出して、この最終回に辿り着く。中身は同じ施設に育った義兄弟の再会とその存在の決着みたいなもの。そして、その二人を操っていたのは、大臣経験者の黒幕みたいな石橋蓮司。この辺の関係の詳細はあまりしっかり描かれていない。その分、梶原一騎のコミック的な感じもするが、それ以上にシーンの過激さの割に怨恨みたいなものはあまり感じさせなかった。その辺が非常に見ている方としては物足りない感じではあった。

そして、森田剛と桐谷健太のラストバトルも、力のこもったものであるが、どうも当事者の二人の心の奥底がわかりにくいという部分もあったりする。でも、なかなか対決させて絵になる二人ではある。森田は、これからこっち方面の役者を、目指すのだろうか?十分に雰囲気はあるし、ハリウッドの映画に出してもいい感じはする。ただ、最近ハリウッドでここまで硬質な日本人の役があるかどうかはわからないが・・。とにかくも、妻である宮沢りえとともに、役者として第二の旬を迎えられるかというところ、この辺りは楽しみでしかない。

この話、実質は情報屋の話である。そういう意味では、佐野玲於というポンコツ2号がどう立ち回るかが重要なところ。だから、桐谷と森田の決闘のシーンとシンクロさせて、彼がパソコンで原稿を打つところを入れてあるのだが、この辺りにあまり緊迫感がないのがよくない。記事に対しても見出し以外はちゃんと紹介されないし、その辺りにインパクトがあまりないのはがっかり。

だからこそ、最後に警察関係者が捕まるところが挿入されているのだろうが、この辺りにも快感がない。まあ、ホテルのラウンジに多くの刑事が客のふりをしていたという仕掛けをまた使っているが、これも2度やるとインパクトにはかける。最初のヤクザがこれをやった方が怖かった。

そう、このドラマはこの情報社会の世の中に、こんな恐ろしい世界が寄り添っているかもよ?という話だと思うのですよね。そう考えると、もっとインテリも絡ませてくると面白くなる気がしますよね。いまだに、結果的に施設の兄弟関係がこの事件に繋がってるというのが、どうもスッキリしないし、本題の中心になる三人の殺しについても、ほぼ、石橋蓮司の愉快犯みたいな部分が大きい。もっと国家を揺るがす事件性が欲しかった。

とにかくも凄惨なアクションはなかなか興味深かったし、話のテンポも悪くはないのだが、本質的なドラマにスカスカ感があるのが物足りなかったというところ。桐谷と佐野のコンビでいろんな事件の情報を探りながらスクープしてくドラマの方がよかったのでは?そういう感じの続編みたいなのは見たいですね。でも、深夜ドラマとしては及第点というところかな?

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