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「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜(第2話)」これくらい、優しさに満ちた世界ならいいよねっ!ていう後味の良さ

障害者を扱ったドラマなのに、悲しみよりも優しさが勝っている。そう、マイノリティーを守るという話が多くなってきた中、その行動は無駄でないのだなと感じられるドラマである。ドラマの中で、障害者の気持ちが、健常者の気持ちと並列になることにより、いや、交差することにより、人が本質的に持たねばいけないものを思い出せる。主役、二人の優しさにもあるのだが、その二人を囲む人々の優しさも含め、色々考えさせられる。

今回は、お風呂のシャンプーとコンディショナーの見分け方の話し方から入る。私は知っていたが、視覚障害者には、なくてはならない形だったりするのですよね。こういうことをさらりとドラマに取り込んで教えてくれるのはいいこと。

そして、今日の中で興味深かったのが、映画館の音声システムを使う話。そう、このシステムがあることは知っていたが、他人より多く映画館に行く私でも、それを使っている人はみたことがない。映画館で白杖を持った人を見たことがないから、まだ使用して音だけで映画を楽しむという人は少ないのであろう。車椅子の人はよく見る。シネコンになったおかげで、いろんなバリアを越えなくても多くの映画が楽しめるのは昔では考えられないことだ。そう、これを見るだけでも、山田太一「車輪の一歩」が話題になった40年前に比べれば、色々と障害を持っても楽しめる時代になったとは言える。

でも、ポップコーンは、こぼしてしまうので食べられないというのは、「そうだよな」と思ったりも!しかし、白杖を持った子が、ゾンビ映画が好きというのは、よくわからないが、面白かった。

そして、自動販売機が、何が出てくるか楽しみの機械になっていたり、それがきっかっけで初めての一人バスになったり、障害者の人は、言語が通じても、世の中、冒険旅行になってしまうのは大変だ。でも、最初にも書いたが、このドラマに出てくる人々はみんな優しい。ヤンキーの杉野遥亮のライバルである、鈴木伸之が迷っている杉咲花を車で送って行ってやるシーンなど、本当に現代の描き方だなと思ってしまう。

とにかく、杉咲の演技はすこぶる安定しているし、それに呼応する杉野もなかなか好感が持てる。今、二人の恋をよく思っていない人々も、皆がそれを幸せに感じる日は遠くないだろう。だからこそ、2回目にしてラストは、姉の奈緒の心配のハードルを前に置いて終了。わかりやすい。

とにかく、東京の街の中は、システムも人の心もまだまだ、障害者が普通の人として生きていける環境は整っていない。でも、少しづつ、いや、心からいろんなバリアを振り払うためにも、こういうドラマが作られることは良いことだと思う。見終わった後の心地よさは抜群だ。

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