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「パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜(第2話)」頭脳をコピー転送できれば、人も機械も同等で戦えるということ

「精神転送デバイス」という頭脳を全てデジタルとして取り出し、サーバーに転送し、不老不死のイメージを作るという話だ。現実は、脳の全ての信号というもの自体が解明されていないから、それ全体の容量がどのくらいに及ぶのかもわかっていないと思う。そして、顕在意識である脳は、潜在意識であるところと通信しているとすれば、そのつなぎみたいなものを切ると、実際の脳の役目を果たさなくなるのではないかと思ったりもする。そういう意味で、前回の話もそうだが、このあたりの話の流れは、20世紀のSF的思考からあまり進んでいるわけではない。その辺りは、残念なところ。

ただ、人間の体にチップを埋めて、運動能力を伸ばしたり、メンタリティを補うということは、実際できるようにはなってるのだとは思う。ただ、それによる副作用や、生の心身に与える影響はやってみなければわからないから、なかなか意見を書くのは難しい。いろんな意味で、そういう方法でドーピングする人間が出てきているのかもしれない。そう、ドーピングで常にきな臭いロシアのプーチン氏の頭の中にチップが埋め込まれていると仮定したらどうだろう。まさに、第3次世界大戦は電子機器とのコラボレーションで起こるのかもしれない。そういう意味でも、人間は超えてはならない領域を研究し出しているのである。

そのようなきっかけで、ここでの博士、岸井ゆきのは、一線から退いたという話なのだろう。そして、そのやっていた研究というのが、このドラマの大きなキーポイントなのかもしれない。

しかし、岸井はちゃんと科学者の顔に見えるのがすごい。数年前の彼女ならこんな役は無理だったろうし、オファーも来なかっただろう。結構、この辺りはセリフの言い回しで芝居してる感じであるが、まあ、彼女のここからの活躍はかなり楽しみなところ。

そして、ディーン・フジオカとユースケ・サンタマリアとの、この3人組のコンビネーションもなかなか面白くなってきた。そして、今回出てきた安藤政信は、ここから科学的ヒールな役割を果たしていくのだろうか?

今回の精神転送のシーンなど、まあ、煙が出て発火すれば、無理なことが起こっているという表現な訳で、ちょっと古臭い感じはする。もう少し、CGを使って、こちらを唸らせるような映像が見たかったりもする。そして、クラッシックをバックに死に至る感じは、この犯罪的な実験を美化してるように見えるのも気になった。ラスト、転送された精神データが、ネットの中で生存しているような流れに見えるが、そうなのだろうか?大体、頭脳の精神だけが残ってネット内で動いているという状態はどう見ても不自然だし、それは、我々が考えている不老不死ではないだろう。でも、それでもいいと思う人もいるのかもしれない。

フジオカの妻のコールドスリープが溶けることも、このドラマの結末にはあるのかもしれないが、物理的な正当性に無理やり辻褄を合わせて、倫理観みたいなものをアンバランスにドラマを作ると、結構、現実社会に影響が出ることもあると思う。そう、このドラマ、興味深いのだが、すごく危ない橋を渡ってる気もするのだが、どうなのだろうか?少し、テイストがホラーに近いんですよね。

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