「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~(第10話)」ハードルの低いロールモデルがあれば、皆それを越えようとするのか?
最後の「シン・JK5推進事務局」とは、なかなか現代風の洒落で終わったこのドラマ。最終回としては、すごく未来が見える終わり方だった。今の日本の組織に最も欠けているのが、この社員の参加姿勢である。
そして、今の日本のトップになるハードルはそんなに高くないのが事実。ハイスペックな上司など、ほとんどいないのが現実。それは、我が国の総理大臣を見ればわかる。あんなに低いロールモデルはない。そのことに気づいてるやる気のあるものが、一気にその地位を目指していったら、日本は変わるのにな、と、このドラマを見てて思った。
このドラマの感想を、最初にこれは植木等だと書いたが、見事にそんな感じで終わらせている。見終わった後に痛快で、未来を感じるドラマはやはり素敵である。
とにかくも、今田美桜に、お疲れ様と言いたい。今までの彼女が出せていなかった溌剌さを見事に表現し、女優としての可能性を何十倍もアピールした感じ。ここまで、走れるなら、アクション系もいけるのかとも思うし、刑事役もありですかね?とにかくも、次の主役が楽しみである。
そして、彼女の芝居のうまさというか、面白さを引き出したのが、江口のりこなのだろう。曲者の江口とここまで絡めれば怖いもの無しというところだ。そして、江口自身が、今田と絡むことで、また存在感を増したようにも感じる。ネット上でも書かれているが、江口社長の元での続編を見たい気がする。この間の江口社長ドラマはいただけなかったですけどね。時代が変わる中で、組織のあり方を描き続けることは、すごい意味がある。
とはいえ、今回も、女上司として迎えられたソニンをホットヨガをきっかけにまとめるところとか、結構、無理があるおとぎ話になってることはわかる。だが、こういう部分を穏やかに解決するような状況をドラマにすることで、意固地な気持ちを変えようと思う人はいるだろうから、こんなのでいいのだろう。しかし、ソニンは、なかなかいい女になっていましたね。もう一つシリコンバレーっぽい感じが欲しかったですけどね。
そして、社内掲示板の話。こういうの、やってる会社はそれなりにあるとは思いますが、なかなか運営が難しいし、その声を実際にリアルに活かせることが難しいのも事実な気がします。でも、このネット社会、こういうものがうまく使われる中で組織がうまく回るようにしなくちゃいけないのでしょうね。そう考えると、本当に組織運営が難しい時代なのも、ドラマを通じてわかったりしますよね。謎のQRコードチラシで、集客するというのは、いいアイデアですよね!
今は、アメリカ同様に個人のスキルで戦う時代に日本も変わってきています。それなのに、ここに出てくるように履歴書のフォーマットはあまり変わらないのが現実。いまだに、組織を大きくしようとするよりは、自己保身のために会社に燻る人が多いのも事実。その結果が、今の日本の体たらくなのは皆わかっている。ただ、行動の仕方、走り方がわからないのだろうと私は思う。
そういう意味で、このドラマの主人公は、ひたすら走る、そして、ひたする動く。そうすれば、誰かがまた動くという流れ。そんな日本を作るべく、今日を生きようと思ったりもできるドラマ、傑作でした!
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