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「リエゾン-こどものこころ診療所-(第2話)」子どもの心と親子でいたい心と・・。

この間までやっていた「PICU」を見ていて小児科医の大変さは理解したつもりだったが、ここで描かれる児童精神科医という業務はさらに難しいと痛感させられる。そう感じさせるドラマであることが凄いとも言える。そして、それを示すために、ある意味、子供達に考え方が近いような松本穂香の主人公を作ったことが、この原作の良いところなのであろう。そして、松本穂香がその役を身体全体で表現している。いつも同じところに寝癖をつけているのはメイクなのだろうが、大変そう。でも、凄いいいアクセントになっている。

今回は、鬱病の父親とADHDの娘の荒んだ暮らしをなんとかしようとする物語。この間出てきた、戸塚純貴は訪問看護師だったんですね。松本と一緒に訪問するときの軽い会話がなかなか面白かった。彼は現在、こういうピエロ的な役目にはかなり重要な役者な気がします。場の雰囲気を彼自身が作れますものね。それでいて、最後の方の児童相談所の職員を批判するところなど、なかなか魂入っていました。

こういうお医者さんや訪問看護師が児童相談所に連絡して、こういう問題が解決していくというのも私はここで初めて知った感じでした。そして、児童相談所の職員が一人で80人もの子どもの案件を抱えているという話も嘘ではないのでしょう。なかなか大変なお仕事だし、国は、少子化対策とかいう前にこういう問題をなくす努力をせねばならないのではないでしょうか?大体、景気が良くならないと、こういう問題もよくならないのですよ。全てが一緒にダメになっていく感じが今のこの国の怖さだと感じます。

今回、児童職員の役を演じていた野村麻純さん、この間「PICU」でも優しいお母さん役を演じられていましたよね。個人的に可愛い人だと認識していますが、印象的な演技をするので、もっと前に出てきてもいい女優さんだと感じています。

結果的には、今回の話は、父親のうつ病を治す薬が違っていたということと、娘は学校に行きたかったということで、それぞれ離れて暮らすという選択をするわけですが、そこまでの道程の描き方がなかなか秀逸でした。岡田義徳の二重人格的な演技。娘役の子のけながな演技も。そして、子供を包み込むような松本の演技は前回もありましたが、そこがこのドラマの見どころなのでしょうね。なんか、1時間のドラマがいろんなハートで埋め尽くされていく感じがとても心地よいです。決してハッピーエンドではないのですが、子供の未来が見えるところが重要だと思います。

最後に、子供に手を振る松本の画が入りますが、こういう笑顔の子供の向こうに、それができない多くの子供がいるような国ではいけないなと強く思わせてくれるかなり主張の激しい作品なのに、なぜか見終わった後にほっこりする感じが良いですね。来週も楽しみです!

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