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「ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○(第3話)」ネットは嘘もビジネスになれば、真実もビジネスになる!

インターネットの登場で音楽ビジネスはもはや過去と同じ戦い方では勝てない場になっている。昔のヒット曲の作り方の定石は全く通用しないと言っていい。そんな中で、今回のこのドラマで語られているようなことは、もう、事実あるのかもしれない。曲を作る側と歌う側が別なのは昔からあることだが、そのタッグで新しいストーリーを作って世の中に問うということ。まさに、PCで男の声を女の声に変換もできる時代。おじさんが女子高生としてネットに音楽を投稿してそれがバズるということも不可能ではない。音楽は確かに楽曲の良さもあるが、そこに付随するストーリーは大切でもある。

そんな、ある意味、炎上をうまく利用した話を突き詰めるのは黒木華と野間口徹。今回は、野間口をフューチャーした話である。彼をここまで主役のようにしたドラマはあまり見たことがない。女房に逃げられ、息子をうまく理解できない親であり、その息子がファンの歌手が作られたものだったという事件を追う役。ジョギングするシーンとか、カラオケで「夢見る少女じゃいられない」を歌うシーンとか、なかなか印象的なシーンを演じて、その中で黒木華の手の中に収まって行くような感じがうまくできていた。彼主演での映画とかも見てみたいと思わせる演技でした。

ネットニュースのビジネスというのは、確かに庶民の射倖心を煽ることも必要だし、世の中に火のついているものを利用してさらに炎上させることもやり方の一つだろう。そう、今回の事件は誰も悪くないし、(嘘があるから悪いのかもしれないが、罰則は基本ないだろう。これを罰則にすると口パク禁止とかにもなりそうだし)確かに、この嘘によって損をしたり、精神的に病んだと言って訴訟する人はいるかもしれないが…。そんな、世間の三文記事の真実を明らかにし、新たにストーリーとして投げかけるのもまたネットである。それが黒木華の役目であり、インターネットの一つの方法論であったりもする。

このドラマ、単純にネットニュースを扱っていないところが興味深い。ネットの中では、誰が加害者になり、誰が被害者になるのか分かりにくいというところも、うまく描いていたりする。そして、黒木華のこのしつこい性格は、今のネットニュースの中に存在したら、結構面倒臭い存在になるし、ちゃんと記名してニュースを流している以上、すぐにPVを増やすことは可能だろう。この辺りは、匿名基本主義の日本のネット文化への提言なのかもしれないが…。

とにかくも、溝口も黒木を面白がっているし、野間口も明らかに黒木のやり方に呼応したということで、このドラマは一つギアチェンジをしたようだ。正直、面白くなってきた。来週も期待できる。

ネットだろうが、なんだろうが、「いいものはいい」という言葉は大事なところだ。

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