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「あつい胸騒ぎ」おっぱいと恋愛に関する青春劇だが、今ひとつ熱い未来が見えないのは今時の空気なのか?

舞台の映画化。だから、映画になっていないみたいなことはない。ただ、脚本は今ひとつバランスが悪いというか、主人公の少女をうまく表現し切ってない感じはした。出てくる人物はそれぞれに面白いし、どこにでもいそうな人々。でも、そこの誰にもシンクルする隙間が私になかったということもあろう。もう一つ、映画的なパッションというか熱を感じることはできなかった。となると、なかなかこういう映画は口コミでは広がりにくい。

そして、これは大学生のまだ少女の話である。その彼女が乳がんになったり、自分の小説の中で、胸が膨らみ始めた時のことなどを書いている。そう考えると、これ、少女の一人称として映画で語る感じの方が良かったのではないかとも感じる。他のキャラクターもなかなか素敵なのだが、バランスよく描かれていない感じがした。

主演は、「ドラゴン桜」などにも出ていたという、吉田美月喜。眼力はある女優さんだが、身体全体から出るオーラのようなものが足りない。主役のオーラをうまく演出が出せていないとも言える。そして、常盤貴子、前田敦子などのよく知られた女優さんたちも、今ひとつうまく動かされていないような気がした。

結局、恋愛したことのない主人公であり、今も恋愛をしていないし、そんな中で幼馴染の奥平大兼が、10も歳上の前田敦子と関係を持ったことを知ったというような話が入る。そんな中で、彼女の今の青春は小説を書くことなのだろうが、その辺がうまく描けていないのが、私的には気に食わなかった。

そして、彼女が乳がんだと言われ悩むのはわかるが、それに対する周囲の反応が今ひとつギクシャクしていて、その問題にうまく回答が出せていないのもダメだろうと思った。

そんな中で、常盤貴子が職場で三浦誠己に恋をするのだが、この話も、三浦が気がありそうだったのに違う人が好きだったというオチは何も面白くない。常盤貴子、なかなかおばちゃんをうまく演じていたが、もっと色気のある役をやってほしいと思う。色気という点では、前田敦子にも言えることで、彼女に奥平が興味を持つのが今ひとつわからないのですよね(これは、私自身が前田に興味がないということも関係しております)。

あと、ジョークが滑り続ける三浦さんですが、なんか若い時の下元史朗に似た感じのルックスですね。彼が熱中症の対策でブラのホックを外した話のシーンで、まさにそんな感じがしました。まあ、わからない人にはわからない話です。一瞬、可愛かずみを思い出した私です。

という中で、サーカスで働くかもしれないと出てくる、知恵遅れの佐藤緋美だけが私的には一番シンクロできるキャラでした。最後には、彼だけが主人公を励ます感じになってるわけで、彼の主観で映画を作った方がわかりやすかったかもしれませんね。で、サーカスって必要だったのでしょうか?これも、あまりうまく映画に溶け込んでませんでしたよね。

この話、女性が脚本監督を担当したら、全然違う映画になる気がします。そして、私自身、男だからこそ、女性側からの映画として見たかった気はします。

あと、撮影がどこでされているか、土地の名前が一切出てこない映画なのですが、やはり、和歌山というところは提示した方がいいと思います。そういうことで映画を観に行こうと思う人もいるのですから・・。

あと、維新の会の石井苗子議員が協力してるとクレジットに出てましたが、なんなのでしょうかね?


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