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「大豆田とわ子と三人の元夫(第8話)」 やはり大豆田が主役なのだと思いながらも話のフォーカスが定まらない

先週から後半に入ったというのはよくわかる。そして、オダギリ・ジョーと松たか子の恋物語へと移っているのもよくわかるが、無理矢理な恋なわけであり、そして、大豆田とわ子という人物が時の流れの中で流されていく人なのだろうな、というのもよくわかる。

というのも、ビジネスの顔とプライベートな顔が正反対のオダギリ演じる小鳥遊に対して、平気で話してしまい、恋愛指南までしていくのだから、かなりおかしい。ここが、坂元裕二が書きたい、おかしな人間というものかもしれないが、なかなかここで納得してみている視聴者がどれくらいいるのだろうか?

そして、その大豆田の周辺をいまだ元夫たちが賑やかしのようにウロウロしている。大体、元夫たち全てといまだに携帯が普通につながっているのは、やはり大豆田が普通ではないからなのだろう。あくまでも、現実にはいそうでいない主人公をどう動かすかに尽きる脚本だ。

そして、前回も書いたが、三人の元夫たちにこびりついていた女たちが一切出てこないのは、説明する気もないのか?もうお役御免なのかよくわからないが、謎である。前半の最後でそこに結構なフォーカスが当たっていて、まだなんかあるのだろうなと思ったまま放ってあるわけだ。

まあ、今回は小鳥遊が17歳から31歳まで介護をしていて、そこから人生が始まったみたいな話から入ってくる。だから、社長には徹底的に尽くすが、恋愛は別であり、あくまでもその初心者として大豆田の前にいることが語られる。その前は、いや今でも数学が友達だというのはわかるが、今一つ数学という道具がうまく使われていない気もする。恋愛を数学になぞるではなく、乗り物になぞるのもあまり意味がわからないというところだ。とにかく、この小鳥遊という存在が、よく理解できていないまま2話を過ごしてしまった。

そして、その周囲の元夫たちも、ただただイライラしているだけのようにも思える。大豆田に未練があるのはわかるが、もう一つ大きなドラマがないのは、なんなのか?ポテトチップスのパーティー開けに文句を言っている場合ではない。

部下であった、高橋メアリージュンが突然、小鳥遊側についているのも、よく理解できなかったり、そういう部分が多々見える脚本なのだが、ここにきて混沌としすぎていると思う。

まあ、多分このまま大豆だと小鳥遊が恋仲になっていく話が続き、大豆田の会社が乗っ取られるかどうかという問題も残るが、なんかもう一つパンチにかける後半戦であることだけは確かだ。

今回は、唯一、娘の豊嶋花が帰ってきたところで、大豆田がすごく嬉しそう素に戻ったのが、見ていてしっくりきた。そういうドラマでいいとは言わないが、視聴者のそれぞれが、フォーカスをどこに定めればいいか迷うドラマになっていることは確かだと思う。

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