「六本木クラス(第10話)」ダイヤモンドになれば、なんでもできる!
平手友梨奈からの電話で読まれた詩を聞いて、さとうなおみが、自らTV上でカミングアウトするラスト。これで、この勝負は決まったということだろう。常に、「長屋」側の策略で一喜一憂する「二代目みやべ」。ここにきて、香川照之ではなく、昔の仲間の鈴鹿央士が、牙を向いた。しかし、鈴鹿の本当の目的がよくわからない。キャラクターとしてかなり中途半端な感じがする。ドラマを混乱させるためには面白いが…。しかし、熱海からの電話で平手が送った「詩」はなかなか強力なパワーを持っていた。石の独白の詩で、その正体はダイヤモンドとは。
今回は、電話という道具がなかなかうまく使われていた。最初の方で、新木優子が竹内に迫る時にも、平手から電話がかかってくる。ここで、竹内は、新木と平手の二人に言葉を投げかけているわけで、これはなかなか秀逸なシーンだ。
そして、平手が倍賞美津子の家に行き、投資を頼むシーンでも、そこで竹内に電話する。そして、倍賞は、「電話で投資を頼むのか?」と竹内に対応する。逆に重々しい雰囲気でないところでの会話が二人をうまく近づける感じに見せる。これも、うまいシーンの作り方。
そして、先に書いたラスト。一つの気の利いた電話が、落ち込んでいるさとうほなみを奮起させる。それに値する内容だからこそ、視聴者はそこにシンクロしていける。そして、この瞬間に、勝負の行方は見えてくる。昨今の日本のドラマが作れなくなった、圧倒的に格好良く、リアルな世界でこんなことがあったらと思わせるシーンを韓国は簡単に作ってしまう。
そう、昨今はスマホをどのように、ドラマの中に使うか?というのが世の中のドラマの中の常になっている。LINEのようなものも多く使われているが、その表面は使えていても、それがドラマにどれだけのパワーとなっているかと考えたら疑問のところが多い。先に書いた、今回の電話の使い方は、どこでもつながるという環境以外は、「話す」という基本的なものでシーンが作られている。だが、なんか新しさを感じるのは、その内容が、視聴者に刺さるからだ。距離が離れていても、心に刺さる会話でそこにドラマができるのが現代だと言っているように、なかなかセンシブルな回であったと思う。
さあ、エンディングに近づいているようだが、投資が決まって、ここから飲食業としての本当の戦いが始まるのだろう。そして、トップに上り詰めることと、恋愛の決着がつくことと、とてもうまく話が進められている。本当に、こういうもの見せられると、日本のドラマ作りって、本当に遅れている感じがするわけである。そこに対する刺激としては、こういう翻訳ドラマを作ることは意味がありますよね。
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