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「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」空気が暗すぎる中で教育に問題定義できるのか?

そこのところ、あまり詳しく描いていないが、これは、主人公の教師、松岡茉優が、誰か生徒に殺されて、その魂が一年前の自分に憑依していたという状況なのだろう。その部分をちゃんと描いていないことで、昔話を成立させ、その昔話を変更して、ある意味、復讐の相手を探す話なのだろう。それなりに興味深いが、教育を論じるドラマとしては、ホラーに寄ったテイストと言っていいだろう。そのテイストはともかく、このワンクールの中で視聴者に何を言いたいのか?はっきりしていただきたい気がするのは私だけではないだろう。

松岡茉優。今、BSで「あまちゃん」の再放送をやっているが、10年前の話だ。あの時に、10年後の彼女がイメージできただろうか?プロダクションの力もあるだろうが、よく生き残って主役をはれているといっていい。そして、物静かな怖さの表現の中に美しさも感じる。ある意味、このテレビの主役は、彼女にとって勝負所ではあるだろう。

そして、その生徒役が、芦田愛菜であったり、加藤清史郎であったり、當間あみであったり、なかなかなが売れている役者であることが印象的である。それだけ、対峙するのに面倒臭い生徒たちだよということなのだろう。

そして、最初にも書いたように、これは先生やり直しの物語だ。同局で放送されていた「ブラッシュアップライフ」と似ているところがあり、うまく歴史を変えていかないと比較されるだろうから、脚本家も大変だろう。まあ、バカリズム的な世の中の見方とは真逆の世界と思われるので似ることはないとは思うが・・。

初回は、芦田愛菜に対して、クラス全員の民主主義的な同意の中でいじめが行われていたという話。このクラスで行われていることは、自民党のやってることと同じだ。そんなことを考えて脚本が書かれているなら期待はできる。あくまでも、教室の中の話が外の世界とシンクロしていくような話にしていただきたい。

しかし、最初にデジタル機器を使ってきたのは教師の方だった。監視カメラに盗聴。こういうものがどう使われていくかは興味深い。それに対抗して、生徒たちももっと悪いことを考えていくだろう。徹底的にどす黒く描いていくのか?

でも、芦田の前に、家庭のためと言って50万円貸してくれと言ってくる話が出てくる。ここで、それが嘘で皆で豪遊するための金だったというのがバレるのだが、そこでボス的な加藤清史郎が、簡単に松岡に金を返せと、当事者の生徒を促す。ある意味、犯罪にはしたくないラインはあるようで、そこのところが、このドラマのセーフティーラインになるのか?どうなのか?

私的には、こういう話は好きではない。学校という組織にこういう部分があるのは認めるが、あえてドラマの舞台にするというのが心地よくないからだ。とはいえ、主演、松岡茉優、どんな演技で生徒たちを捌いていくのか?楽しみではある・・。

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