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「自転しながら公転する(第3話)」男女が惹かれ合う本質は学歴でも世の中に馴染むことでもないという事

最後に藤原季節のように人助けをしようと、考えずに身体が動き、それによって自分が彼をわすれられないことを知る松本穂香というラスト。なかなか綺麗なラブストーリーの終幕だったが、最後に「破れ鍋に綴じ蓋」という言葉で終わるのがおかしかった。タイトルが「自転しながら公転する」というなかなか格好いいものなのに、その言葉では終われなかったということね。まあ、「破れ鍋に綴じ蓋」の方がわかりやすいですけれどもね。

で。この最終回は前回、結婚することに対し否定的だった藤原と松本の間にできた心の亀裂から始まる。ここで、一緒には暮らせないという自信のないようなことを言う藤原を、一気に攻め落とす松本。本当にこの娘はこういう真に迫った演技を見ている人の心に残せる女優さんである。この世代の女優としてオンリーワンの部分があるのは大したことである。だが、こういう自主映画でしか取り上げないような作品出演が多いのが物足りなくはありますよね。もう少し大きな映画の印象的な脇役を演じていけば、仕事の幅はもっと広がると思うのですが・・。

そして、そんな演技の後ににこやかなベッドシーンを綺麗に演じられるのも彼女である。とはいえ、ここから、藤原が友人の父が危篤の報を聞き、松本まで車で駆けつけようとする話になるわけだが、そこでスピードを出しすぎ、藤原の免許が失効されており、無免許運転だったことがバレる。そして、二人はそのまま別れるという顛末。ちょっと辛いですな。

そんな流れに陥った松本に、両親は優しい。自分たちが介護される立場にあることもそうだろうが、幸せとは何かと考えるうちに、娘が結婚しないで幸せならそれもよかろうというところではあるのだろう。この辺の描き方も今風を感じる。そして、ここで友人にも相談するわけだが、ここでいつも口うるさい野村麻純が外されているのが分かりやすくもあり、それが話がもうこれ以上こじれない予感もさせたりする。まあ、こういう脚本は上手いとはいえないが・・・。

そして、ベトナム人の長谷川慎との久々の再会。そして、ホテルで一つになるかと思いきや、松本が10歳も年上だと知って慌てて逃げる長谷川。ここの部分、10歳くらいいいじゃないと思うのだが、・・。松本に失礼ですよね。そして、長谷川は金持ちなわけで、こういうところから海外問題に発展することもあるから気をつけましょう。

そんなところをどうまとめていくのかと思いきや。松本が人助けをする展開に巻き込まれ、藤原を思い出し、彼の仕事する寿司屋に駆けつけるという先にも書いた通り。そういうシンクロさせる出来事がラストというのは綺麗ではあるが、いろんな問題はまだまだ解決していないわけで、少し中途半端さも感じさせられましたね。でも、松本穂香の演技は好きなので、年の終わりにそれが見られてよかったです。

ということで、やっとこれで2023年分のドラマの感想文終わりです。しかし、よく書きました。ドラマ評だけで614本。見て、書いてないやつもあるし、朝ドラもほぼ完走してるが書いてるのは1回2回というところ。まあ、好きだから続くのですが、2024年もこれを緩めるつもりはございません。続けてよろしくお願いします。

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