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「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」おじさんがアップデートするのは、そんなに簡単ではないよね

コミック原作の割には、なかなか深いテーマを語ってくるドラマだった。しかし、このタイトルはないだろう。こういうベタなタイトルで見ようとするものはある一定数いるとして、内容を見たら、そういうドラマではなかったような気がするので、本当に見て欲しい人に見てもらえないドラマになりそうな感じはする。それにつけて、主役が原田泰造ですものね。これも好き嫌いが分かれるタイプなのですよね。特に今は新年。新年から「パンツ」というタイトルと原田泰造でめでたいとは思いませんよね。

だが、最初から原田が、自分の会社の中で昭和の上司的な言葉と指示を連発するところはなかなかインパクトがある。だいたい、今頃、部下にお茶を淹れさせるところがあるとも思えないし、それでもって、「女の子が入れた方が美味しい」とか言ったら、その日から、その会社の女の子いなくなりますよね。わざわざ、こういうセリフを見せることによって原田が中古もいいところの企業人であることをアピールしているわけですが、周りもそんなのいうこと聞かないでいいじゃんということで、指示を無視する様が面白かったりもした。こういうドラマの会話を見て、今の会社がどうあるべきかを考えた人がいたなら、この冒頭のミッションは成功か?

とはいえ、ミスを謝るために女性の社員に一緒にきて欲しいというのは間違ってはいないと思う。ある意味、セクハラではあるが、そういう「女子力」で会社がうまく回るなら、それは使った方がいい。枕営業しろと言ってるわけではないのだから。というか、男女雇用均等法で、男の武器、女の武器みたいなものがただ単に削がれていくのは違う気はする。そう、ここでの原田は胡散臭いが、直接的に女子社員の尻を触りたいと思っているわけではないのだから・・。

そんな中、引きこもりの息子に客が来ていると飛び込むと、それはゲイの友達だった。「ゲイ」という言葉だけで反応するのがLGBT対策していない男だったりはするのだが、逆に言えば、私もゲイをただノホホンと受け入れる気はない。それが、男の男たる本質だとは思う。(男よりゲイの価値が上がるのは違和感があるみたいな奴だが、それも否定されそうだな)だって、そんなこと真面目に賛成という感じで手を挙げたら、ジャニーさんが間違ってるみたいな話にはならないでしょ。だいたい、コアな性的な趣味を気持ち悪いということを偏見とする時代ではないのかもしれないが、気持ち悪いという感情はそんなに簡単に消えない。それは、ゲイが男を好きになる気持ちとさほど変わらないと思う。

別に、このドラマ、ゲイがいいとか悪いとかそんなドラマではないわけで、原田泰造が息子のゲイ友達の中島颯太(EXILEの人ね)と話相手になってもらうことにより、現代の常識を理解できるようにアップデートしていく話らしい。その着眼点はかなり面白い。いわゆる今の若者社会は人数が少ない割には、昔に比べ多くのコアなグループが存在し、一概にその風土も人間性も語れない部分があるということだ。そんな、摩訶不思議な若者世界を原田がのぞいていくという流れはかなり興味深いものがある。次週の予告には「コミケ」が出てくるが、確かにあの世界も普通に学校で洗脳されただけの人にはわかりにくいよね・・。

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