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「ハヤブサ消防団」のどかな集落の物語かと思いきや、サスペンスに傾れ込む流れ

池井戸潤の原作。各局、ドラマ班は原作が出るとすぐにドラマ化権を獲ろうと競争していると思われる。テレ朝で、池井戸原作がドラマ化されるのは初めてだろうか?そんな気がするが・・。ある程度のストーリー展開の面白さが確定している原作はドラマとして、見ている方も安心だったりする。

そして、主役は中村倫也。中村も、ゴールデンの連ドラでの単独主演は初めてですよね?結婚もして、仕事にさらに力を入れなければいけない時でもあろう。それなりに期待したいが、彼の役、彼らしくないまともな役ではあった。職業が小説家というのは、池井戸自身もシンクロしているような小説なのか?その辺も興味深い。

そして、舞台は片田舎の「隼」という集落の消防団。実際は、群馬県の富岡市でのロケを行っているらしい。夏のドラマで、こういう山里が舞台なのもまたそれらしくて良い。消防団が舞台ではあるが、この集落で起こっているサスペンスの謎解き的な話がメインらしい。

初回は、中村が親が住んでいた土地である「隼」に引っ越してきて、ほとんど記憶にない、寄り添ってくる村人に消防団に誘われるところから。一度は断るが、消火活動を手伝って、それにより、書けなかった小説が書けたことから、彼も消防団の一員になることに。昨日の「ばらかもん」もそうだったが、田舎の人々はよそ者が来ると人懐っこいというのは、本当にあることなのだろうか?まあ、移住してくる側の心の開き方次第ではあろうが、これだけ、人懐っこいと、ドラマを作るのは簡単である。

しかし、また、消防団、クセのある役者を集めたものである。そのメンツ見て、ドラマのスタッフのやる気の方向が見えてくる感じもする。生瀬勝久、岡部たかし、梶原善、橋本じゅん、満島真之介。消火活動の風景を見ているだけで楽しかったりもする。主役の中村の個性が吹き飛ぶ感じの周囲の役者に対して中村がどう対応していくのか?というのも見どころなのだろう。

そして、集落で中村が最初に出会う、大和田獏の家が燃えてしまうわけだが、奥さんが生きていた設定で何より。後で挨拶に来る大和田の姿を見て、リアルな奥さんが亡くなっていることを思い出した。それは過去の話だが、大和田さんが不憫に見えてしまった。まあ、無事に役者稼業続けていて、何よりです。

火事のシーンはCGだとは思うが、なかなか迫力ありましたね。CGだからこの炎の勢いが出せたりもするんですよね。もう、黒澤明のような無茶振りの時代ではない。

そして、消防団の話から、放火犯の疑いがかかる一ノ瀬ワタルの話に繋がる。中村の家に野菜を持ってきてニヤッと笑う、一ノ瀬。彼は、こういう顔がなかなか印象的にできる人なので、これからも色々と重宝されるだろう。今回は、アクションするところないうちに死んでしまいましたね。

そして、謎が深まる感じで、川口春奈や古川雄大が出てきて、どう繋がっていくのか?というところ。なかなか面白そうですが、中村主演ということで視聴率は伸びないかな・・・?



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