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「恋はDeepに(第7話)」人魚伝説の話なら、そこから話を始めるべきだったのだろうね

ラスト、石原さとみの足がヒレになりかけ、鱗が溢れるというシーンが現れた。その前には、星が浜に人魚伝説があるということがわかる。今更だが、ここからドラマを始めればよかったのではないか?と思ったりする。

つまり、海に泳ぐ魚たちが、海に沈むペットボトルなどのゴミをみて困っている姿を見せる。それとともに、人間たちの環境破壊の姿を見せて、そんな陸地に人魚である石原さとみが上がってきて人間に化ける。このくらい、はっきりと嘘をつくところから始めれば、スッキリいく。

そして、そこに橋本じゅんが現れて、石原の話を聞き、大学に連れて行けばいい話だ。そう、全て、リニアに話を作り替えたところで、人間の世界で生きていく石原を描き、そこに綾野剛が現れるということにすれば、話はスッキリしたのだ。

それを、石原が綾野の会社に行って、仕事を手伝うところから始めるから、こんな変なドラマになってしまったのだろう。考えれば、恋愛ドラマとしても、綾野が石原に惹かれていくところに面白みがない。敵対していたのに、いつの間にか、ラブラブになっているのはおかしい。今回の遊園地で楽しむところなど、なんで必要なのか?というレベルだ。

大体、湿気がないと生きていけないというところを見せているのに、こんなに遊園地で楽しく遊べるのか?色々いい加減に作ると、ファンタジーは喜劇になってしまうということなのだろう。

そして、石原が、テレビ出演をして、自分の履歴を話すことになるところも何か取ってつけたような感じ。そこから、綾野が無理矢理連れ出して星が浜に行って、人魚伝説の話になる。とにかくも脚本の無理強い感がすごい。基本的な話は、うまく構成すればもう少しみられるドラマになるのだと思うが、それを演出が再構成できていないということだろう。

そして、その傍らで、渡邊圭祐が自分の持株を使って、会社乗っ取りに乗り出す話も、なんか、意外な話なのだが、視聴者にシンクロしてこない。大体渡邊のキャラがいまいち見えてこないし、この兄弟の確執の話も、母親が死んだ時の回想が何回も流れるだけで、視聴者には理解しにくい。

ということで、毎回、ドラマをみた後に、再構成して頭を整理している感じで、なかなか大変なドラマである。石原も綾野も、なんでこんなドラマに付き合ったのだろうか?ご時世で、仕事があるだけでありがたいのはあるだろうが、とにかく、日本の映画もドラマも、質の向上をもっと目指して欲しい。同じ題材でも、構成のし直しで傑作にもなりうるのだから。とにかく、人間が環境を壊すというところのテーマがあるのに、そういう部分を視聴者に訴えるところが全くないのだ。そういえば、毎回石原がやっていた、ペットボトル集め、今回は出てきませんでしたね…。

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