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「トリリオンゲーム(第8話)」ハッタリの向こうにある、クリエイターの心をくすぐる技

今回も、なかなか面白い大風呂敷話だったが、振り返れば、目黒のやり方は、ハッタリだけで行われているのではない。クライアントが何を喜ぶかをわかった上での戦闘なのがすごいのだ。ドラゴンバンクが、金で頬を叩く的なやり方しかできないのに対し、そこに何をプラスすれば欲しいものが手に入るかを考える。内容は、常にかなりコミック的な流れなのだが、ドラマの後に考えさせられることが多い。そう言う意味で爽快なドラマが続く。

今回の標的は、世界的に評価が高い「スタジオポポラ」のアニメの制作に乗っかることと、その作品の独占配信権の獲得。どこのストリーミングでも配信していないと言うことを考えても、このモデルは「スタジオジブリ」。だが、そのクリエイターのボスが、女の麻生祐未であると言うところが面白い。そして、麻生を仕切るプロデューサーが中島ひろ子。

この二人の芝居、昨今ではあまりやっていない役でかなり楽しんでる感じ。麻生はどちらかといえば、落ち着いた金持的な役が増えてきた中で、こういう常識はずれのわがままクリエイター役は意外に似合っていた。中島は、昨今はお母さん役が多いが、こう言うキャリアウーマン的な役もなかなかいけると言うことがわかった。なかなか面白いマリアージュのキャスティングだが、作ってるアニメがあまりにもジブリっぽい絵面だったが、これ、本家は文句言わないのだろうか?

とはいえ、「スタジオジブリ」のクリエイターがここにあるように女性だったら、そして、爺さんではなかったら、また違う世界ができていただろう。宮崎駿の世界観にあまり波長が合わない私にとっては、パラレルワールドで、そんな違う作品を見てみたいものだと思ったりもした。

そして、目黒がアメリカのアニメスタジオと提携したと言う話を出してくるが、これ、モデルはディズニーであるが、そうではない。大体、バックパッカーを雇って、フェイク会見をさせてしまう傲慢さと言うか、アバウトさはもはや、危うさよりも痛快さを感じさせるのがすごい。目黒蓮のこの役は、他に誰も真似できない世界観になってることが、このドラマの最高の面白さにつながっている。

そして、結果的には、麻生が佐野のAIを使った制作時間の短縮に対し使いたいと思ったことで、全てが手に入ったと言う図式。しかし、世界配信権を取ったと嘘をついてから、リアルにするやり方は、流石に現実的には無理がある。世界最高峰の人たらしがいても、なかなか難しいだろう。

そんな無謀なやり方の中で、今田美桜の立場はどんどん叩き潰される感じであるが、彼女はどんどん二人が欲しくなる。そんな中での焼き鳥屋のデートは何を意味するのか?あんな感じで今田と焼き鳥屋、異次元的ですが、夢の世界で良いですな。

と言うことで、先週から持ち上がっていた、國村隼と吉川晃司が組む話は、吉川が断りを入れ、國村は次なる手を!「トリリオンゲーム」を700億で買収という話を持ちかける。さあ、ここで次のハッタリでどう迎え討つのか?ドラマも終盤に入ってきて、話の規模が大きくなってきて面白いですな!

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