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「ゼイチョー~「払えない」にはワケがある~」税金にまつわるドラマはわかるが、軽すぎるテイストが気になる

日テレが最近よく作るお仕事ドラマ。舞台は地方の納税課徴収係。原作はコミック。主演は菊池風磨と山田杏奈。まあ、「マルサの女」の住民税版であり、ライト版であることは初回で明確であった。私的には、税金徴収の話が面白いと思ったことはない。その取り立てに生産性のあるドラマを感じないからである。そして、基本的に地味な話である。

今期もジャニーズ主演のドラマはかなりの数ある。来期以降のもので進んでいるものもあるだろうが、一年後はほぼなくなる状況もあり得る。芸能界もエンタメも再シャッフルの中で、菊池が重要な役者として残っていくのも大変な状況だろう。そして、山田杏奈は、この間は木村拓哉主演のドラマに重要な役で出ていたが、ジャニーズにお気に入りでキャストされている臭いがあるのが気になる。ここでの役は重要な役なわけだが、芝居がそこそこできるとはいえ、彼女では地味すぎる気がする。そう、ジャニーズ崩壊で、女優の配置も変わっていくと思える。まあ、それは少し先の話だろう。

で、ドラマは、最初は税金徴収、差し押さえの現場の実地訓練の風景から。昔から、こういう始まりはよくある。周囲のキャラを明確に視聴者に伝えるにはいい方法ではある。そして、ここでの徴税吏員の仕事とは何かということを説明くさくなく伝えるには良い方法とも言える。ここで、日常生活に必要な家電とか仏壇は差し押さえられないという話が出てきて、初回の仕事のオチになっているのは分かりやすかった。

そして、滞納している、笹野高史が経営する和菓子屋の話から。固定資産税は払っているのに、住民税を滞納している状況。何か、圧力みたいなものを感じる菊池。一度、話を聞いてから、気になってもう一度訪ねると、笹野が自殺をしようとしていた現場に出くわす。

笹野をそこまで追い込んだのは誰だとここから推理が始まり、もう一つの滞納者である、近くの料亭が浮かび上がる。彼らが笹野に無理強いな仕事をさせていたのはわかったが、その実態は最後にちゃんと明かされなかった。これは、脚本的にはダメだろう。料亭が心得ていて、財産を仏壇に隠していたということで終わらせてしまうのは面白いが、もうひとつ腑に落ちない解決だった。

最後に、家を担保にして、住民税の利子だけ払えば良い方法を菊池が笹野に教えて、うまくまとめるのだが、あまり、観ていて沁みる話でもなかった。菊池の演技はいつも通りで軽やかだし、山田はこの役には幼すぎて少し心配だが、武闘派という感じで存在感を示したいのだろう。もう一つ、ドラマとして派手さがないので、視聴率は取れないだろうね。

そして、財務省で菊池と同期だったという副市長の本郷奏太が最後にやってくる。二人とも、山田を知っているらしい。よくある設定だが、そういうサスペンス的な要素を持たせて膨らまそうとする感じですね。

まあ、素材はあまり面白くはないが、3回目までは見ようと思えるドラマではある。

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