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「ネメシス」楽しそうなオリジナル脚本の中で、広瀬すずがどこまで弾けるか?

「SRサイタマノラッパー」の入江悠が総監督のオリジナルドラマ。テレビもNetflixみたいなものと戦わなければいけないわけで、少し作り方を変えてみるということなのかもしれない。主演は櫻井翔、広瀬すず、江口洋介。そして、失踪した広瀬すずの父、仲村トオルを探すというミッションを最後まで引きずる感じのドラマなのだろう。

とはいえ、初回は、ただのへっぽこ探偵ドラマという感じのでき。初動としては少し弱い感じはした。つまり、櫻井翔は全く探偵のスキルはないのに探偵をしているということ。そして、不思議な能力を持つ広瀬すずがその桜井をアシストして、事件解決。この流れは、2話以降も同じなのだろう。時間の問題もあるが、今回の遺産相続殺人事件に関しては、内容はイマイチだった。

大島優子が訪ねてきて、問題の屋敷に向かうまでに、スピード狂の大島が車を飛ばして、櫻井を酔わせるというのは結構面白かっただけに、その後が続かなかった感じ。この大島優子の二面性みたいなものをもっと出してもよかったし、6人の愛人たちもあまり魅力的ではなかった。色が6色あればいいという演出ですよね。この辺は、短い時間で見せなければいけないという性でしょうな。橋本マナミは、結局、こういう役しか与えられないのでしょうか?

広瀬すずが、透視のようなことをするために異次元にいくような感じは、まあ、探偵ドラマとしては安易な感じもするが、結論を出すにはわかりやすいというところ。それよりも、なかなか広瀬すずの演技の勢いが良い。そう、こういうコメディタッチのドラマのなかで、アクティブな演技ができているのは好感が持てる。結構、女優として演技の幅が広がってるように見えたのは嬉しい限り。彼女をみるだけでも2回目は観たいと思う。

舞台は横浜。それで仲村トオルが出ているということもあるのだろう。あぶない刑事のパロディのような、勝地涼と中村蒼は、へっぽこ刑事役にしては豪華な配役、そして刑事には見えない富田望生は、キャストのバランスとしては面白い。この辺の脇役を今後どのくらい面白く動かせるかが、ドラマの面白さの鍵ということなのだろう。1回目は、ただ出ているというだけに見えた。

最後に、広瀬と仲村の別れた時のようなシーンが出てきて、江口洋介が自分の部屋で仲村の写真を見ているところで終わるが、このドラマの大きな軸は中村の失踪事件なのだろう。とはいえ、ドラマ前半では、櫻井と広瀬のへっぽこコンビの成長的なものも描いていかないといけない。本筋とそういう部分のバランスが連続ドラマとしては大切なわけで、映画のリズムを知っている入江監督が、テレビドラマとしてどう紡いでいくかは楽しみなところである。

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