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「Get Ready!(第8話)」妻夫木が闇医者に堕ちた理由が嫉妬だったという軽さ

ここで、妻夫木の過去が話される回を一つ儲けて、闇医者対警察の構図をはっきりさせ、最終章に入るという感じなのはわかったが、前回までのブラックジャック的な流れが一辺に違う様相を見せてくるのは、何か不自然な気はする。ドラマ全体の構成が今ひとつ、視聴者の興味が湧くようにできていないわけですね。

で、今回の妻夫木が病院を追われた理由だが。簡単に言えば、鹿賀丈史が妻夫木の手術の腕に嫉妬したということらしい。その妻夫木は、自分の好きなように仕事ができないので、師であった榎木孝明の病院から鹿賀の病院に移ったということ。結果的にはそれで、鹿賀の悪巧みに引っかかったということなのだろう。しかし、移植する臓器を違う患者に移植したなど、ある意味、事務的なミスなわけで、裁判すれば、妻夫木を守ることはできたのではないだろうか?確かに、それにより少女を殺してしまったという悲しい結果にはなっているが、腕の良い医者をこんなことで葬る社会はおかしい気がする。まあ、医者の社会が利権を守るのが先にたつ白い巨塔なのはわかるが、このドラマの肝になる部分が今ひとつチンケだとしか思えないのは私だけだろうか?

鹿賀丈史は、ドラマに最初に出てきた時からそんな性格なのはよくわかっていたし、彼は闇医者が妻夫木だということも気づいていた。なのに、警察の描き方も最初から軽すぎて、最後にサスペンスに持っていくにはかなり無理がある感じなのだが、そこで、警察側に沢村一樹が登場するということらしい。最初から、沢村を妻夫木とコンタクトさせて、徐々ににじりよっていく的な展開で良かったのではなかったのか?

そして、今回は、妻夫木が藤原に過去を語るという形でドラマが作られていたが、これもなんか面白みにかける。結局は、回想シーンだけで一回分出来上がっているわけで、その間に警察の動きや病院の動きを入れて、うまく作ることもできた気がする。その藤原からの電話を他の2人がただ待っているのもドラマ的には面白くない。すごく脇が甘い脚本ですよね。どうして、こうなる?と思ってしまう。

次週から最終章ということで、鹿賀丈史の娘の結城モエを、今回の最後に倒れさせるという、これも安易な流れ。これで、鹿賀が葛藤して、妻夫木に手術させるのかどうか?という話になるのだろう。そして、過去の真実がバレて警察がどういう判断をするのか?そして、司法に持ち込まれるのか?色々と考えられはするが、私的には、闇医者はずっと闇医者のままでいてほしい気はするな。結局のところ、妻夫木のキャラが、ブラックジャックのようなアンダーグラウンドのヒーローになっていないのが、このドラマの大きな欠点なんですよね、多分。

そして、妻夫木がパティシエになった理由は出てこないのでしょうか?

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