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「あなたがしてくれなくても(第6話)」すれ違いの中で、心のベクトルは方向も力量も失う・・・。

ラスト、奈緒が走り出し、岩田剛典と心がシンクロしていくのかと思いきや、SNSですれ違いが示される。昔なら、このSNSの言葉はなかっただろう。だからと言って、SNSは決別の意味を表していない。そのくらいSNSの言葉というのは信憑性がないもののような気がする。逆に悪口や罵声ならそれは本心と受け取っていい。昨日私は、ビジネス的に軽いSNSを受け取ったが、それも同じで、心がこもっていないものはすぐにわかる。文字に託すということは、言霊としての強固な本質も映し取るし、本質のない軽さはもっとよくわかる。そう考えると、恋愛におけるSNSというのも、無謀に使うものではないということだろう。そう、その伝聞の先には生身の人間がいることを忘れてはならない。というか、そんなことも考えながら恋愛ドラマを作っていかないといいものはできない時代なのだという話でした。

今回もドラマは特に進展はない感じであったが、奈緒は岩田と終わりにしたということで、会社でも彼を避けようとする。そして、岩田はそんな彼女に対し心の中ではさらに本気になっていく。

そんな中で、今回のシナリオの中で面倒臭く描かれていたのが田中みな実の心中である。雑誌の締切が過ぎたとはいえ、実際はそういう仕事は被さるように次の号の仕事が入ってくるのだろう。と考えれば、突然に連日、田中が早く帰ってきて、料理を岩田のためにしているのはおかしい。ぎこちない姿で可愛らしく演じても、演じているのが田中であるとあざとさみたいなものを感じたりする。それは、この役を彼女に演じさせる意図通りなのだろうと思う。多分、田中はそういうバイプレイヤーとして認識されてしまってる気がする。それがいいとは思えない。そこを振り払えたら、女優として本当に華開くかもしれない気はする。

そして、不自然なのは、岩田の反応もあるかもしれないが、SEXに誘うようなことがないことだ。明らかに、それが田中には負担に感じてるし、「子供を欲しいと思ったことがないわけではない」みたいなモノローグがあったりするのを見ても、SEXなしで子供を産みたいと思う境地に入っているわけだ。そう、自然の摂理から外れてしまっているこういう女性は意外に現代社会の中で多いのかもしれない。世の中は社会への女性進出を叫ぶが、それにより、性の欲求が種族保存とは遥遠くに行ってしまっているような状況はやはり笑顔にはつながらない状況だと私は思う。

そして、ラスト近く、田中はすがるように岩田を抱きしめるも、ある意味、田中のステイタス的に岩田が存在するわけで、離したくないという欲求だけがそんな甘えを示す。そんな、すがる心に岩田は結果的には答えようとして、先に書いたSNSを奈緒に送るのだ。でも、SNSは本心ではなく、本心を隠そうとする結果でしかないということ・・。次週、奈緒と田中が対峙するようだが、どう展開していくかは興味深いが、岩田は女たちに選別される道具でしかない感じにどう動いていくのか?全般的に彼の優柔不断もこの事を起こしたきっかけではあるということを彼自身が認識しているのかどうだか・・・。

そして、永山瑛太。奈緒と旅行に行こうということにうなづくも、彼女とできなかったらどうしようと考える。他の女とはできたということもしゃべってしまう。それは、奈緒も浮気をしているとはいえ彼女には悲しい話だ。ある意味、瑛太は真面目な人間でいい人だと思う。少し不良性を感じるさとうほなみだからこそできたということでもあるのだろう。宇野祥平とさとうと、奈緒と4人で焼肉を食べるシーンの微妙に変な空気感が面白かった。瑛太の気持ちがそこにない感じがよく出ていたと思う。奈緒が飛び出した時に、瑛太の鼻が垂れてるだらしない感じが彼の心そのものにも見えた。

まあ、今回も4人+1人の心のベクトルは、その方向をどちらに向けていいのか迷走し、その恋の力量的なものも配分が全くわからなくなってる感じがドラマの中でよく見えていたのが面白かった。ここから、終盤、人の心を弄ぶような脚本はどこに着地していくのか・・。色々と楽しみである。


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