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「オールドルーキー」スポーツマネージメントという世界から日本のエンタメの現状を見ること

日曜劇場の今クールは7月になる前に始まった。そういう意味では、あまり宣伝もなかったのではないか?脚本は「未来への10カウント」を終えたばかりの福田靖。2作続けて、スポーツに関する脚本を書いたということだろう。初回を見た感じは、スポーツドラマというよりは、やはり、ビジネスドラマ、現代の人間の生き方みたいなもの、人生の第2ラウンドの作り方みたいなのがテーマなのだと感じた。この、パンデミックの後では、重要なテーマだ。

サッカーJ3のチームで、ベテランとして、元日本代表という肩書きでプレーを続けていた、綾野剛が、チームの解散で職を失う。そこで、最終的に入社することになる「ビクトリー」という会社に面接に。ここで、綾野の社会性のなさみたいなものを明確にして、紆余曲折、ラストで、なんとかこの仕事を続けさせようと、社長の反町隆史が頷くまでの初回。流れは、単純だが、出演者のカラフルさもあり、順調な滑り出しというところ。

初回のゲストに横浜流星を連れてきたのも、かなり印象的なファーストインプレッションというところだった。横浜は、「DCU」以来の日曜劇場登場だが、また、役者として成長した感じがした。映画「流浪の月」でも、難しい役を好演していたが、陰陽の芝居の切り替えがすごく上手いし、それが役を引き立てている感じ。とはいえ、まだドラマの主役というのがないのですよね。今後楽しみである。そして、今ドラマ、綾野がサポートするスポーツ関係者のゲストが一つの肝になるということが、横浜を見ていて分かったわけである。

主役の綾野剛の芝居は、柔らかく、なかなかビジネスマンとしての自信のなさみたいなところがうまくできていた。ここから、どう、ビッグな裏方になっていくのか?というところが見どころなのだろう。こういう成長していく役は、「未来への〜」の主役だった木村拓哉ではできないし、やらせてもらえなかったところでしょうね。少しコンプレックスがである役がきるのが、綾野の役者としての強みでもある。

そして、バディ役?という感じの芳根京子。髪をバッサリ切って、なかなかアクティブな感じで良かった。元々、線は細い人だから、雰囲気からアクティブ感を出していくのは良いと思う。初回から、綾野のスポーツ、いやサッカーに対する愛情みたいなもの(自分にはないものを持っているというの)は認めた感じだったから、これからそれがどう増幅されていくか?というところが楽しみである。

そして、もう一つ、綾野を決して買ってはいない反町隆史。そして、綾野をサポートする榮倉奈々。そして、同僚の、岡崎紗絵、中川大志など、周辺もなかなか印象的なキャストで、賑やかな中、スポーツマネージメントという世界を興味深く描いてくれそうではある。

あと、「ちむどんどん」での演技も記憶に残る子役、稲垣来泉が綾野の娘役。ここもチェックしたいところ。とにかくも、夏に熱いドラマお願いします!


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