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「アンメット ある脳外科医の日記(第7話)」記憶と五感は一緒になって生きる喜びを与えているということ。

記憶が少し戻って、杉咲花の顔は、少し明るくなった。それは、見ていてなかなか気持ちよかった。確かに記憶があることで、人間は時間という中でうまく生活している。それが、毎日、途切れるというは、やはりストレスも大きくかかるだろうし、ここでの杉咲のような生き方はなかなかできないというのが実際のところだろう。

そして、今回は、その杉咲は実際は、若葉竜也より優秀な脳外科医なのではないか?という話が出てきた。それは、このドラマに隠れてる重要な部分であり、井浦たちが隠してる医療ミス?を彼女が知っているということにつながるような感じか?あくまでも憶測だが・・。

で、一気にそちらに行くかと思ったら、杉咲の脳の中では「記憶錯誤」というものが起こっているらしい。つまり、いろんな記憶が混ざって、思いもかけないミスをするということ。ドラマの中では、患者を間違えていたが、そういうことがあると、前よりもめんどうなのと、やはり日記ノートの確認は必要ということ。ここから、杉咲の脳内をどう変化させていくかでドラマの展開も面白さも変わっていくだろう。まずは期待!

で、今回のもう一つのメインテーマは、居酒屋の主人(小市慢太郎)の味が変わったという話から、脳に髄膜腫があり、取り除けばいいが、神経に近いので、一つ間違えると、臭覚がなくなってしまうという話。料理人にとって臭覚がないというのは、致命傷であり、仕事を辞める覚悟がいる。とはいえ、前に進むしかない。

この辺の葛藤を、小市とその女房役の阿南敦子が、なかなかの名演技で見せてくれたことが印象的だった。この二人、若い俳優を使わずに修行時代の30年くらい前の演技もするのだが、自然に若い演技が出きていた。それがあるからこそ、手術が終わった後で、出汁の臭いがわかるというシーンは感動的だった。本当に、人間の脳は、少し損傷しただけでさまざまな苦悩を与える。そういう意味では、この脳外科周辺には、私たちが知ることがなくてもいいような話がいっぱい転がっているのだろう。そして、今回、見終わった後で、小市の店に食べにいきたくなるような感じは、この夫婦の演技によるものであり、なかなか素敵だった。

で、関係ないのですが、若葉と杉咲がコーヒーを買いに行く店で、抹茶をやたら振りかける店員は、今泉力哉監督!まあ、こんな汚らしい感じの人がいるカフェは嫌ですが、映画撮るのに忙しいでしょうに、こんなテレビドラマに出演のアルバイトとは、若葉さん繋がりでの出演でしょうかね?

そんな遊びをする余裕もあるこのドラマ、なかなか着地点が見えないところがザワザワするのですが、次回が8回目。色々動いていきそうですね。


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