見出し画像

「アンメット ある脳外科医の日記(第8話)」杉咲花の記憶が少しづつ戻り、周囲の風景も変わる中で真相が見えだす?

今回は、杉咲の話よりも、岡山天音のプライベートな話。その中で、杉咲が岡山と一緒に美術館に行った記憶が戻ってきたりはする。医者の後継として婿養子になる話と、そんな政略結婚の話が壊れそうになり、というか、その策略の向こうにある岡山の病院を利用しようとしか考えないやり方に反発し、自分の本心を見直す生田絵梨花がいたりする。なかなか、ドラマとしては面白かったが、そのあとで、杉咲が井浦新に自分のことでの真実を聞こうとするところで終わる。登場人物の未来が次々と着地点につこうとしてる中で、杉咲もまた、自分の生きる意味を明確にしたいみたいな感じなのだろう。

で、今回は岡山の父親である飯田基祐が過疎地医療に携わっていることがわかる。というか、生田と結婚したら、病院は飲み込まれ、過疎地医療は廃止に追い込まれそうだという話だ。そんな中、飯田が倒れ、「社会的行動障害」というものになってしまう。いわゆる喜怒哀楽のコントロールができなくなるという病気らしい。他人の不幸を喜び、自分の不幸が襲ってくると怒り狂う。それをトランプのババ抜きをしてわかりやすくしたのは、なかなか面白かったが、ここで、怒りがおさまらない時に、6秒間隔をおいて深呼吸するというのは、健常者でも怒りを抑えるやり方としてよく言われることで、精神的に病んでる人間がそれで治るとは思えない。が、飯田はなかなか演技でこの症状をうまく表現していた。

で、岡山は、父の代わりに過疎地医療の現場にいく。そこは確かに大変な現場だが、これがなくなったらこの村が存在できないことがよくわかる。つまり、この医療行為をなくすということは、人間の基本的集落を殺すようなものなのだ。実際にそうなって廃村になった場所も日本には多いのだろう。ただでさえ、医者が足りない中で、こういう話をドラマでよく聞くが、現実のリアルな姿は私たちにはなかなか届かない。これからは、バーチャルな検診方法も含め、新しい形の医療がそういうところに広まっていくのだろうが、実際、見ている私たちにも先が見えないのはなかなか辛いのだ。

そんな辛い現実が重なるのを見る中で、若葉竜也や岡山天音から愛を告白されたことを思い出していく杉咲。まあ、この辺りが、ドラマ内で乖離しないで描かれるのはなかなかうまいところ。

そして、今回の着地点は、岡山は父親のやっていたことを継ぎたいというところで、生田も心から岡山を愛してることを確認するという、なかなか涙するような展開だった。杉咲の記憶も愛を吸い寄せるのだろうか?というクライマックスに向かうということでしょうか?

この記事が参加している募集

#テレビドラマ感想文

21,819件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?