見出し画像

「リエゾン-こどものこころ診療所-(第7話)」自分のことを聞いてもらえる場や人がいるということ

来週で最終回ですか。8回と短いドラマですが、なかなか凝縮された内容で毎回、少しうるうるさせられ、とても考えさせられています。

今回は、山崎育三郎の父のやってる病院から・・。そこから、山崎のこれからの問題が問われてくることになるのだが、そんなことは知らずに、病院で苦しそうにしていた患者の南沢奈央に優しく声をかける松本穂香。こういうやりとりの中に、松本の役の特性が見事に出ている感じが私は好きである。南沢は陸上選手として会社に入ったが、怪我で選手生命を絶たれ、今は会社の追い出し部屋に配置されているという話。この話、子供の診療のドラマに必要なのか?とも思ったが、最後にうまくつながっていた。

今日の本題は、母親を亡くしたASDの少女が、その現実も理解していないし、父親の三浦貴大が困り果てているという話。ある意味、子供が精神を病んでいて、かつ片親という家庭は今はそんなに少なくないのだろう。こういう現実があるのも、少子化につながる要因という感じもする。そして、それは社会構造が、皆が予期せぬ方向にどんどん変わってしまった(いや、私たちが変えてしまった)からだということなのかもしれない。もちろん、作られた世の中のシステムを見直すことが先なのだろうが、「家族」というものが、どんな形であれ、普通に成立する世の中にすることがいかに大事かということなのだと思う。

そして、ここで今回出てくる「グリーフケア」という話。同じ境遇の家族と子供が集まって意見交換する?いや、話をして共に感じあい助け合うということなのだろう。リアルにこういう場を増やすことはとても大事なのだろうと思う。もちろん、ネット社会の中でそういうことをネット内で行なっている方々も多いとは思うが、やはり、直接、他人にリアルに困ったことを聞いてもらうという行為はとても大事なことだ。それは、結果的には障害を持っている子にとってもそうなのだろう。もちろん、他人とは喋れない子もいるだろうが、優しい環境の中なら何かが掴めるはず。(こういうお子さんにとっては学校とかは、決して優しい環境ではないということです)

そして、参加した三浦は「参加してよかった」というわけですが、やはり悩みを聴いてくれて、一緒に考えてくれる人がいれば少し元気が出てくるということなのです。

その話の後に、先に出てきた、南沢がクリニックにSOSの電話をかけてくる。松本との出会いが彼女を救ったわけだが、大病院でパニック障害と診断され、薬だけ与えられた彼女が、自分の今の想いを全て話すことで涙する。それは溜まっていた感情が吐露できるということなのだろう。うまく、二つの話が結びつく感じが見ていて心地よくもあった。人は、悩み多き時、ただ聴いてもらえる人がいるだけで助けられるものなのだ。

そして今回の最後に、三浦貴大から娘がいなくなったという電話。最終回に向けて、心配な繋ぎ方・・・。

さあ、ラスト、クリニックは守られるのか?松本穂香の未来は?色々、どうみせていただけるのか、楽しみではあります。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?